企業によって、リクルーターの個人面談を先行させたり、いきなり集団討論だったり、面接試験のあり方は様々である。
リクルーターによる選別方式とは、入社して数年を経た若手中堅社員が複数でエントリーシート合格の就活生と面談するシステムである。脅かすわけではないが、このシステムは難物である。というのは、かれらがゴーサインを出さない限り、金輪際、つぎのステージに上れないからである。
NHKの番組で評判になった水ビジネスの社長さんは、終始面接の先頭に立ち、次なる人材を探している。これに対するに、就活で受験する側のレベルが、ほとんど駄目なので番組を視ていて歯がゆかった。なぜかというと、日本人の卒業予定者達は、さあ、サラリーマンになりますよとやって来るのであって、次期社長候補という器量をもっていない。ところが、社長はある時受験者に率直にのべた。「私が探しているのは次の社長の人材です」と。この辺、偏差値に過重な信頼をおいている日本の管理教育が、大人物を育てない、大人物たるべき者をはじき出している、そうした人材をあまつさえ潰してしまっているなどの惨状が明らかになる。ことは深刻だ。
それでは例外がないかといえばそうでもない。実は中国からの留学生が日本企業に求職してくる。彼らは起業をしようと思っているのであって、永久サラリーマン、終身雇われ人などまっぴらだということだ。
人材育成は既にボーダーレスで行けということが結論として出ているのである。
それでも、いきなりなんてこと云うのかとおしかりを受けそうだ。
対策としては、はっきりしている。哲学を持てということに尽きる。
まず、世界経済の趨勢を考える。それから日本社会が隘路として抱えている点をノートしてみる。いずれも研究者になるのではない。実務家としての定見を簡略にのべれば十分。自信がない場合は友人と討論して、まとめたものを指導教授にみてもらうと良い。素早く行う。ここまでで大体、上限2時間である。それ以上かかるものは、今後徐々に調べれば良い。何も書けませんというときは、これは就活戦略そのものを見直すべし。
次ぎに、志望する企業の状況を調べる。HPや企業案内のリーフレットは情報の宝庫である。例えば、日銀の支店業務にかかわる部署を受けたいと考え、説明会に参加したとしよう。立派な日銀のパンフをくれる。これは、どのような文献よりも正直に日銀の業務全体を語っている。
大型の為替介入ばかりニュースになるが、日銀の日常の景気観測やそのほかの雑多な業務は実は日本経済の守り手として重要な意味をもっている。訳知りのエコノミストの遊び道具ではないのだ。
東西のNTTなども当社案内のリーフレットは実に豪華絢爛である。嫌みではない。デザインも良いし、誇りをもって自社を語る若手の社員が気持ちがいい。これらの企業は人材を豊富に抱えているし、今後の日本経済のたてなおしに金剛力を発揮してもらわねばならぬ。
面接ではエントリーシートをふまえて応答すること。エントリー・シートでなにを主張したのか、当該の企業においてどのような働きをしたいのか、自らの売りと短所は何なのか。簡潔に応答できる様にする。
就活支援のNPOでもあれば、模擬面接をしてもらう手もある。就活生の現況からすると、局面がいよいよ面接に移ってきているみたいだ。いよいよ就活たけなわである。
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