2011年11月28日月曜日

社会人基礎講座

以下の催しについて教職員むけ学内BBSへの掲載を申し込みました。
お知らせを兼ねてブログにも掲載しておきます。

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就活支援 社会人基礎力講座のご案内
NPO法人愛媛アカデメイアによる社会人基礎力セミナーのご案内を申し上げます。

NPO法人愛媛アカデメイアは、内閣府支援の東北支援チームの派遣や四国地区
インターンシップに取組み、就活支援の為の社会人基礎力講座を催すなど、地域人材
の育成を中心に種々の自主活動を行っている非営利活動法人です。

学生の皆さんを中心に広くご参集いただければ幸いです。

                       
「社会人基礎力講座」
~経営者側から見た求められる人材とは~

○川崎克寛氏の講演と対話:
○日時:12月5日(月) 18:00~20:00
○場所:愛媛大学校友会館2階サロン
○定員:20名程度

*川崎氏は、米国UCLA卒、帰国後ワールドに勤務、その後、徳島に拠点
を置く経営コンサルタントとして、全国の地域プロジェクトに参画。
斬新な経営学の応用手法には定評がある。
現在は、「つなプロ」を組織し気仙沼市や陸前高田で被災地復興支援に従事。

参加希望の皆さんは、愛媛アカデメイアまでご連絡ください。

岡村、 小笠原 
 NPO法人 愛媛アカデメイア〒790-8577
松山市文京町3番愛媛大学教育学部4号館324号室
Tel:089-989-8864


神戸港の夕景、2011年2月

2011年11月25日金曜日

就活を支援する(4)---技能か教養か=週刊 東洋経済の特集を読む

さいわい大学生協の書籍部に何冊かあったので、久しぶりに『週刊 東洋経済』を購入する。
名にし負う硬派の経済雑誌である。
11月26日号は、「さらば! スキルアップ教 教養こそ力なり」という相当力をいれた特集であり、これを読むのが目当てだった。面白い記事が満載であり、教養 実践編とあって、「教養人になる方法」といって、沢山の文献があげられている。本が嫌いなタイプの就活生だったらげんなりかも知れないが、とにかくがんばって基礎文献を読み進もう。もっともこの程度の読書で教養人になれるならそれほど苦痛でない。コストパフォーマンスは極めて高い。
編集部による文献目録は概ね納得いくもの。また、専門家の推奨本もそれに続いてある。私的には概して理系啓蒙書の推薦図書目録がおもしろく、納得いく。未だ読んでいないものもチェックできる。自分の専攻の政治だとかになると「ウーン、そうかな」と、当然クレームをつけそうになる。「専門家」のクセであり、意地悪である。推薦者となった方々もしかし手っ取り早く何冊かの本をあげてください、「教養人に」みなさんなれるようになどと編集部から言われても、さて...と困ったことだろう。
しかし、これが本特集の眼目なのだろうが、佐藤留美氏や浅川港氏らのビジネス現場に即した歯に衣着せぬ記事には教えられることが多い[「ブームをあおった私:スキルアップ教は日本人を幸せにしたのか?」「ベストセラーに見る米国人の教養:堅実な米国人の知的関心 次のキーワードは「例外主義」」]。
就活生は是非これらの特集を読んでみるべきだろう。そして早速、積極的な読書生活の大海に向かうべく、大学生協や街の書店に走ってゆくべきだ。
それにしても大学らしい授業やセミナーがどれだけ尊重され、ああ、進学して良かったとどれだけの学生諸君が実感している事であろうか。教員は自己評価の書類に追われ、予算取りに煩瑣なプロポーザルを終日書かなければならない。本当に必要な研究は、---これは私個人の恨みもあるが---若手への補助金だけで可能になるのか。ほとんどの研究予算が40歳までの若手研究者に限るなどという、注釈がついている。若手重視はわかるが、若手だけで研究が成り立つわけではない。必要な場合は審査によりこの年齢枠を越える場合も許可することがあるなど、緩和条項が全く見当たらない。官僚的論理が科学の諸研究[社会科学、人文科学、自然科学など]を引きずり回す感があるのはいただけない。
わたしなど、地方分権=フランス政治研究というスタンスがはっきりして、文献収集の上でも見通しが出来たのはひどく遅くなってからだ。現在の研究費配分のシステムでは円熟した研究者[あるいは私みたいな“おくて”の研究者]に十分な資金が渡らない。そもそも講座あたり数百万の図書費が左右できるならいい。しかし、そんな研究者は実際ほとんどいないのではないか。
外国研究の細切れぶりと窮屈な仕切りは、我が国の国際路線の開拓[あえて策定とはいわぬ、高度にクリエイティブな仕事だ]を困難にしている。
フランスにおける外国研究の手厚さをおもえば、我が国の遅れは深刻だ。
世界第二か、第三の経済大国が、平和路線で国際社会に重きをなすべきである。諸国から尊敬される国造りこそ就活生をふくめた私たちの目的なのである。いうまでもなく世界の枠組みが動揺し、組み換えられようとしている。構造的変化をしっかり捉えるには、知のおおもとに立ち返る古典的かつ原理的な思考が必要である。
そして、この理念にたった事業は、有力にして多数の高等教育機関の存在を前提にしている。立派な高等教育機関を国民的なコンセンサスの元に確立してゆくべきだ。まさに、呪文みたいなスキル万能から真の教養を身に付けることへの旋回のときである。これは、ひとりビジネス関係者や就活生の問題などではないのだ。

『週刊 東洋経済』特集号の表紙

2011年11月24日木曜日

就活を支援する(3)--低迷する卒業予定者の内定率

大卒内定率が未だに6割に過ぎないというニュースの題字が目に飛び込んでくる(2011年11月19日各紙)。来年3月卒予定という一般の卒業予定者に加えて、これに、留学生と既卒者が競合するという。ところが企業側による新規採用のニーズはそれほどひろく門戸を拡げて待って居てくれているわけではない。
むしろ、求人市場はshrink[萎縮]気味である。
しかし、中高年齢層の窮乏化はもとより[中間層が痩せてゆく]、西欧型の若年層における無業者の拡大傾向は極めて憂慮すべきことである[註:若年層の困難な状況について、フランスにかかわる記事として、'Vieux, privilégiés, égoistes', in Le Monde, 23 nov. 2011、ただしこの記事は、問題を若年層vs高齢層という図式に切り縮めてしまっていて、賛成は出来ない。若年層、壮年層、高齢者という年齢階層を通して、そのまんなかに格差の“断層線”が走っているのではないか…]。
さて、週末から風邪の症状に悩まされた。急激な寒暖の差についていけなかったようである。ようやく、火曜日には軽快のきざしがあった。そこで、がんばって、いつも通り今週も事務局会議を行った。
新聞を使った勉強会も短時間だがおこなう。タフな就活生を産み出さなければならない。既に内定をもらっている先輩がメンター役を買って出てくれている。

就活にこれから入ってゆく方々には、特に12月の就活解禁を前に仮想エントリーシートの作成が重要である。
目標の企業分野[まだ特定できていなくてもよいし、ぼんやりとこの分野とかでも良い]があるとして、自分をいかに売り込むかを一般に予想されるエントリーシートをつくることではっきりさせてゆく。目的の明確化とモチベーションの確立である。
無理に統一フォーマットは決めていないが、大体の項目は以下の通りである。
私の長所と短所
これまで特に力をいれておこなってきたこと[勉学、調査、クラブ活動、インターンシップなど]
これまで特に学んだこと
人生のなかで遭遇した大きな困難、それを如何に克服したか
貴社[想定でよい]を希望する理由
希望する職種
その他 などなどである。

事務局の学生諸君は活発にインターンシップや東北支援の活動に従事してきた。
NPOや学内のボランティアに参加することは、それ自体、社会人の基礎力を養うものである。もちろん、文章の作成能力など学士力というべき基礎能力がベースとして大事。就活で過度に浮き足立つことは望ましくない。つまり、従来の大学教育課程での勉学がいささかも軽視されるべきではない。
ここは、同僚の先生方が機会あるごとにおっしゃっている「教養」や「教養教育」のありかたと具体的な内容がかぶっても来る。
しかし、その点は、いずれ別の機会に論じよう。
先ほどまで、神奈川県議会議員の松崎 淳、長友よしひろ両氏がミュージアムの視察にいらしていた。昆虫のコーナーで話しに花が咲いた。
紅葉する学内の街路樹

良く晴れた初冬の空

パリゾ先生はキャノンを愛用されている

2011年11月16日水曜日

社会人基礎力の勉強

定例の事務局会議を催している。
今日は、TPPの国内産業への影響予測と英国ウォリック大学名誉教授ロバート・スキデルスキー氏のコメント[「暮らし影響は」、連載「どうする世界債務危機:緊縮より生産・消費刺激」いずれも朝日新聞2011/11/12付け]をみんなで勉強した。
特に、後者のインタビューは純粋種ではないかというほどはっきりしたケインズ主義的な政策提言であり、とても面白い。現下の合衆国やEUのピンチな状態をある程度言い当てているのではないか。
曰く、金融支援では駄目、しっかりした生産と消費への財政刺激策が必要。要するに基礎にたち戻って、国家の力を有効に国民の為に発揮し、有効需要を創出せよということだろう。ここに鍛えられた自由主義の根幹を見る気がする。われわれ日本人も襟を正さねばならぬ。
さて、ルソーの『社会契約論』を院生諸君と読んでいる。昔読んだときよりちょっと違った印象。
有名なくだりはそれはそれとして、いかにしてビッグな命題を導き出してゆくのか。
意外にルソーは直感の人だという印象である。結論的な大命題と別の主要な命題とをつなぐ表面には出ていない言わば地下茎の様な部分に関心が湧く。
その他に、Éric Kerroucheの  L'intercommunalité en France  (Montchrestien,  Clefs politiqueシリーズの一冊)も読み進んでいるが、「進んでいる」というほど能率はあがっていない。
愛南町の屋台が生協購買部「えみか」の外に出ていた。おいしそうなので草もちをワンパック買う。
学生事務局のみんなで味わった。
草月流のクラブがあって、このところ毎年、
学園祭にはミュージアムのプロムナードを飾ってくれる
ダイナミックですっきりした造形だ
キャンパスはたこ焼きやその他の店がいっぱい
仲間の輪が広がる
石臼をつかって餡餅などをつくる。なかなか美味だった
チームワークでがんばっている。なかなかよい。
南に向かって、木々の葉が色づいて華やいでいる
ミュージアムの一隅では大学の先端研究や学部紹介がにぎやかに並ぶ

平面発光体の開発について、偏向フィルターを使っての説明

ぎっしり並ぶ説明
こちらは昨11月15日、愛南町の皆さんがどっさり
物産を携えて市を開いた
餅菓子販売のマダム




2011年11月8日火曜日

事務局会議そしてパリゾ先生との対話など

学生事務局会議/研究会が行われる。いつも通り、愛媛大学地域創成研究センターのゼミ室で定例の事務局会議が開催された。
今回はまず、NPO法人アイズ(松山城上り口の近くにオフィスがある地域NPOの先駆的な団体)の小山さんからアイズさん主催のインターンシップにつきご案内をいただいた。長期にわたるインターンシップで、我々のシステムとは違うが、当地では先輩に当たる組織の取組である。勉強になる。アイズさんにはいろいろな場面で沢山のことを教えていただいたのである。今後ともそうなるだろう。ご清栄を切に祈りたい。
小山さんが帰られたので、その後は今後の当法人の催しや就活の体験共有のための話しあい(簡単に申せば、3回生以下のみなさんが内定獲得をした先輩から教訓を聴いた。すなわち就活ノート[がんばった記録がびっしり書き込まれている、本当によくやったねと言いたい]や合同説明会への対応、面接での気持ちの良いやりとり云々)や新聞記事を題材にした話し合いをする。
アメリカの格差問題や次期大統領選挙の見通し、ギリシャ危機などである(今回は朝日新聞11月6日付けの三つの記事を使う)。
この事務局会議/研究会は話し合いの時間をたっぷりとった。十分な話し合いで重量感があったし、愉快に会は終わった。
オフィスに戻ってほっとした。それからパリゾ先生が通りかかって、ああこんちわとなって、ミュージアムのキャフェで話し込む。気温が高くて、すっきりと晴れていることが多いので感銘を受けたという。「ディジョンではこの天候ならまったく夏ですね」と、しきりにおっしゃっていた。
ただ、ご当地もこれまでは大雨だったのだが、なかなかその辺は理解するのが困難みたい。
いや、ともかくもディジョンDijon市では今、電子版ル・モンドのお天気バナーを見れば9℃から13℃というところだろうか。湿度94%とでている。憂鬱な冬景色かもしれない。
他方、松山は18℃から25℃であるから、当地としても11月上旬としては異常な高温である。ただ、過ごしやすいと感じるのは余り湿度がたかくないからか。
キャフェでの寛いだ対話にモベ先生も遅れて参加されて、とても楽しいひとときだった。
パリゾ先生はブルゴーニュ大学の公務で上海へ、それからサバティカルの日本語研修ということで本学に滞在されている。松山での滞在は1ヶ月を越えるから、まさに長期旅行をなさっているわけである。フランスへの帰国は12月上旬という。
気候のはなしが盛り上がった

2011年11月3日木曜日

ソーシャルビジネスの調査と研究


2011年11月2日(水曜日)に高知市市民活動サポートセンターにおいて「四国地域のソーシャルビジネスにおける競争環境及び市場動向に係る調査」の第一回研究会(ワークショップ)が催された。12時過ぎに到着。やや慌てぎみに隣の日本風レストランで昼食をとる。「草や」さんという店だった。入ってみると客はすべて女性達で、男性の客は事務局長と私だけ。
とても良い食材と味付けだった。ドーンと真ん中にお刺し身があった。あとは野菜料理とたっぷりの混ぜご飯である。飽きさせない構成に感心した。それにしても女性陣はおいしいところを良く知っている。
さて、会議は、四国を代表する自主活動のベテランの皆さんが集まったという感じであった。その中で、私たち愛媛アカデメイアはどちらかといえば新米である。はじめてお会いするのに、なにか最初からインチメットな雰囲気で、不思議な気持ちだった。きっと、同じ社会的貢献という分野でがんばっているという仲間意識があるからだろう。
会全体の進行役は畠中智子氏(高知のまちづくりを考える会)が担当され、四国経済産業局の牧野好一氏が開会の挨拶を、本調査の目的や研究会の趣旨を同じく経済産業局の芳谷展生氏が説明され、「ソーシャルビジネス」というタームについての定義と共有について愛媛大学客員教授の坂本世津夫氏がまとめられた。あとは具体的にアンケートの調査から見えてきたことが中間的に報告され(事務局:佐々倉玲於氏)、以後、自由討論になった。
ブレーンストーミングのなかからNPOなどが置かれている状況が明らかになってゆく。官庁の単年度主義は自主活動への障害になっていること、当然の額/規模の人件費が費目のうちにしばしば含まれていない場合がある、考えられない安い単価で仕事欲しさに引き受けてしまう団体があとをたたないなど[そのため必要経費が考慮されない傾向が一層助長される]、NPOをはじめとする自主組織によるソーシャルビジネスがいまひとつ一般社会への根づきを遅らせてしまっている多くの問題点が指摘された。
会はきびきびと短時間にまとめられ、15時過ぎにはお開きとなった。
これはまだまだ入り口の議論だというまとめに、なるほどと納得。
作業はこれから細部にわたっての分析に入るであろう。それにしても、仕事をしたという実感が湧く良い会議だった。
さて帰ろうかというとき、久しぶりに高知城が大手筋の並木の向こうに見渡せた。数々の動乱を見下ろしてきたであろう天守閣のさまに感慨が湧いた。それにしても曇ってはいるのだが、なんという晴れやかな午後だろう。南国の明るさを感じた。
慌ただしく帰路につく。改めて、土産も買う気にはならなかったが、気持ちは軽かった。おそらく会議の進行が、超多忙の参会者にとってストレスがたまらないように、細かく配慮が行き届いていたからではないか。
それに高松、徳島に行った時も感じたが、隣県にまったく雰囲気の違う県都があることは、普段、松山に閉塞してしまいがちな自分には良い刺激となっている。
はりまや橋を通りすぎ、改装なった高知駅をみながら松山まで事務局長の運転で走り抜けた。

途中の高速サービスエリアにて、
色づいた木々が見事だった


会議場となりの和風レストラン「草や」さん
のおしゃれな入り口、すべて数寄屋造りである。
のれんの色が斬新だ。
「草や」さんのエントランス敷石、和風モダンである
お客さんはことごとく女性達だった、
南北に庭があり、好みの席が沢山用意されている


四国4県からの熱心な参加者たち
ソーシャルビジネスの模式図
ベクトルをそろえる為に学識経験者から熱心なコメント
をいただいた
小グループに分かれて細部の検討を。
自主団体のみなさんの同じような悩みに、納得。
暫定的なまとめに入る。快調なテンポだ。

終わって会場外で見上げると高知のお城が北側正面に。
個性的なたたずまいである。






2011年11月1日火曜日

ヴェロニク・パリゾ先生 ようこそ

パリ・リオン駅から高速列車TGVで1時間40分ほどすると、ディジョンDijonに着く。昔は、パリ-ディジョン-リヨン-マルセイユそしてイタリアへという国際特急の走り方だったが、パリからリヨンへ直行する新線の関係で、パリ-ディジョン-ブザンソンというTGVの走り方である。いきなり、ドイツ国境にむけてひた走ることになる。時代は変わった。
朝、パリのリオン駅からフランス国鉄SNCFご自慢の新幹線に乗ると、車内はほぼ満員。学生風と明らかに研究者風の方とそれにサラリーマンであろうか。つまり、便利になったので、長距離の通勤・通学が増えているのか。
ディジョンに本拠を置くのがブルゴーニュ大学である。学生数は2万7千ほどではなかったか。
昔は、ディジョン大学と言ったが、改組されて、工業テクノロジー系も包括し、レジオン[県のうえにたつ広域行政圏]名をとりブルゴーニュ大学となった。
ディジョンは、14万ほどの小さな州都・県都であるが、かつてはブルゴーニュ侯国の都である。いにしえ、北にベルギーなどを含む、細長い大帝国だった。おそらくその相当部分の収入はワインがもたらしたのであろう。今でもブルゴーニュ・ワインは文字通り一級品の宝庫であるが、南アやニュージーランドそのほかの新興勢力に攻められて苦しい闘いを繰り広げている。なにより、フランスの若者たちが高いワインを敬遠したという。
歴史に帰れば、絶対主義の集権国家形成に乗り遅れたか、ブルボン王朝に嘲弄され、この侯国は亡んでしまった。正確には、貴族年金の引き換えに、属領をブルボン家に移譲してしまい、主権国家たることを止めてしまったのである。
しかし、ブルゴーニュ人は気骨があって、パリにはいまでも対抗的である。
分権化を志向する面白い傾向かも知れない。
もっとも、本音で言わせれば、大阪も京都も、東京首都圏にはなにがしかのルサンチマンがあるだろう。対抗するならそれはそれで食と文化で圧倒しなきゃという、ディジョンの姿は模範になりそうだ。それに、この街はフランス一住みたい都市に選ばれているという。パリに住んでディジョンに通うのと、ディジョンに住んでパリに通勤とのどちらとフランスの友人に聞くと、文句無く後者が粋だと答えてくる。
さて、ブルゴーニュ侯国の主邑たるこのディジョンは小粒でもぴりりと辛い。おなじみ、洋辛子の特産地でもある。
また、この県都から南下すれば、ボーヌを経て地中海に向け、ブルゴーニュワインの回廊地帯である。銘柄品の宝庫である。もう少し年齢をかさねたら、いちどゆっくりワイン回廊を旅してまわりたいものだ。
ああ、フランス語、フランス語…。長いことフランス語を使って仕事をしてきたが、何回話しても、うまくはならない。それでもフランス語の会話は実に楽しい。
それに皆さんとごいっしょにと言う場合は、英語をつかうことになる。幸い、このたびのお客さんは英語もとびきり堪能だ。
それにしても、一挙に身の回りが外国語のラッシュだ。
この機会に、愛媛大学とブルゴーニュ大学とが提携していることを広く世に知らせておきたい。
一生懸命話し、一生懸命に考えよう。そうすれば、意外な道が私たちの前に開かれてくるかもしれない。
2009年1月、遍路と巡礼の国際調査の際にもディジョンに。
寒波の中、教会資料館をご案内くださるパリゾ先生。