2012年10月13日土曜日

愛媛アカデメイア事務局です。

本日の道後クリーンアップキャンペーンは

予定通り開催いたします。

ご参加のほど、何卒よろしくお願いいたします。

2012年7月27日金曜日

本ブログの日常掲示の変更につきまして

NPO 愛媛アカデメイアのお知らせページをかねて自由な発表の場として構想しました本ブログですが、機動的な短文を中心にFaceBookの方に日常の通信の場を移すことにいたしました。URLは下記の通りです。
これまでのご愛読に対しまして心より御礼申し上げます。
Facebookをご参照たまわれば、幸いです。

http://www.facebook.com/okamura.shigeru

ブルゴーニュ大学の食堂にて(2003年交流協定締結にともなう調査旅行)。
さすが、食のブルゴーニュである。うっかりすると食べ過ぎることに。

2012年6月11日月曜日

東北支援インターンシップのご案内

お知らせ致します。
NPO法人愛媛アカデメイアは、本年も、昨年度に引き続きまして岩手県陸前高田市、宮城県気仙沼市へのインターンシップ事業を行います。

つきましては、事業説明会を下記要領で行いますので、よろしくお願いいたします。
  

            記
日時:6月16日(土)13時00分~15時00分
場所:愛媛大学内 愛大ミューズ1階 アクティブラーニングスペース2

問い合わせ先
ソーシャルビジネス ネットワーク大学 四国キャンパス
特定非営利活動法人愛媛アカデメイア
担当:小笠原
TEL:089-989-8864
E-mail: info.academeia@agate.plala.or.jp


http://sbncollege.com/index.html
トップページ|ソーシャルビジネスネットワーク大学 東北仕事復興リーグ

ディジョン南方のボーヌ。中世から第三共和制以前までの古き良き田舎町の
風情が綺麗に保存されている。同僚が撮って下さった映像である。



2012年6月1日金曜日

第三期総会のご案内


以下の内容で法人の総会を開催致します。
ご案内致します。


NPO法人 愛媛アカデメイア 会員各位

会員、顧問各位におかれましては各方面にてご活躍のことと拝察申し上げます。
日ごろ特定非営利法人 愛媛アカデメイアに対しまして、格別の
ご配慮を賜り、心より御礼申し上げます。
本法人も第三期の活動をひかえまして、新規の方針案を確定いたすことと
相成りました。
以下の要領にて法人総会を開催致しますので、宜しくご参集のほどいただきたく、
ご案内申し上げます。
また、会員各位がご欠席の場合は委任状を事務局までご提出いただければ幸いです。

cf.1  就活中の皆さん、教育実習中の皆さん、
 お疲れさまです。経験/情報交流の場としてもお使いいただければ幸いです。
cf.2     卒業生の皆さん、お忙しいことと存じます。ご活躍のことと拝察致し
ます。総会にご参加いただければ眞に幸いです。就活生への交流の機会として、
ご指導いただければ幸いにぞんじます。

総会の次第
とき:2012(H24)年  6月15日、金曜日、17時より
ところ: 愛媛大学ミューズ一階、アクティブラーニング・スペース2
議題
1. 第二期事業報告
2. 第三期事業計画
3. 人事
4. その他
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NPO法人 愛媛アカデメイア代表理事
   愛媛大学名誉教授
   岡村 茂    博士(法学)
   勤務先:愛媛アカデメイア事務局
            愛媛大学教育学部4号館324室
      〒790-8577 愛媛県松山市文京町3
   電話   089-989-8864
   ブログ  http://e-ac.blogspot.com/  
   メール  sokamster@gmail.com
                     
__________________________
*NPO法人 愛媛アカデメイア
 愛媛大学/松山に拠点をおくNPOとして地域の人材を育てます



2012年3月23日金曜日

就活支援:個人面談への対策

企業によって、リクルーターの個人面談を先行させたり、いきなり集団討論だったり、面接試験のあり方は様々である。
リクルーターによる選別方式とは、入社して数年を経た若手中堅社員が複数でエントリーシート合格の就活生と面談するシステムである。脅かすわけではないが、このシステムは難物である。というのは、かれらがゴーサインを出さない限り、金輪際、つぎのステージに上れないからである。
NHKの番組で評判になった水ビジネスの社長さんは、終始面接の先頭に立ち、次なる人材を探している。これに対するに、就活で受験する側のレベルが、ほとんど駄目なので番組を視ていて歯がゆかった。なぜかというと、日本人の卒業予定者達は、さあ、サラリーマンになりますよとやって来るのであって、次期社長候補という器量をもっていない。ところが、社長はある時受験者に率直にのべた。「私が探しているのは次の社長の人材です」と。この辺、偏差値に過重な信頼をおいている日本の管理教育が、大人物を育てない、大人物たるべき者をはじき出している、そうした人材をあまつさえ潰してしまっているなどの惨状が明らかになる。ことは深刻だ。
それでは例外がないかといえばそうでもない。実は中国からの留学生が日本企業に求職してくる。彼らは起業をしようと思っているのであって、永久サラリーマン、終身雇われ人などまっぴらだということだ。
人材育成は既にボーダーレスで行けということが結論として出ているのである。
それでも、いきなりなんてこと云うのかとおしかりを受けそうだ。
対策としては、はっきりしている。哲学を持てということに尽きる。
まず、世界経済の趨勢を考える。それから日本社会が隘路として抱えている点をノートしてみる。いずれも研究者になるのではない。実務家としての定見を簡略にのべれば十分。自信がない場合は友人と討論して、まとめたものを指導教授にみてもらうと良い。素早く行う。ここまでで大体、上限2時間である。それ以上かかるものは、今後徐々に調べれば良い。何も書けませんというときは、これは就活戦略そのものを見直すべし。
次ぎに、志望する企業の状況を調べる。HPや企業案内のリーフレットは情報の宝庫である。例えば、日銀の支店業務にかかわる部署を受けたいと考え、説明会に参加したとしよう。立派な日銀のパンフをくれる。これは、どのような文献よりも正直に日銀の業務全体を語っている。
大型の為替介入ばかりニュースになるが、日銀の日常の景気観測やそのほかの雑多な業務は実は日本経済の守り手として重要な意味をもっている。訳知りのエコノミストの遊び道具ではないのだ。
東西のNTTなども当社案内のリーフレットは実に豪華絢爛である。嫌みではない。デザインも良いし、誇りをもって自社を語る若手の社員が気持ちがいい。これらの企業は人材を豊富に抱えているし、今後の日本経済のたてなおしに金剛力を発揮してもらわねばならぬ。
面接ではエントリーシートをふまえて応答すること。エントリー・シートでなにを主張したのか、当該の企業においてどのような働きをしたいのか、自らの売りと短所は何なのか。簡潔に応答できる様にする。
就活支援のNPOでもあれば、模擬面接をしてもらう手もある。就活生の現況からすると、局面がいよいよ面接に移ってきているみたいだ。いよいよ就活たけなわである。

2012年3月15日木曜日

就活支援:面接の段階=集団面接サバイバル

何回このタイトルで書いているだろうか。就活支援何回目と書くのがおっくうになった。だから表題はシンプルに行く。
今回のテーマはいかに就活生のあなたが廻りの智恵を集められるか、というお話。
人は物理的に身長だとか肩幅だとか骨格を含めた体重だかで、地球上の一定部分を占拠しつつ、通常は動いたりしているものである。その場合重要なことはあなたのまわりにどれだけ応援団がいて、どれだけの智恵を集められるかだ。廻りに動員できるものはすべて使って、智恵を借りること。ご家族、先生、友人、この際は総動員である。
さて、エントリーシートの書き方については、少しずつ述べてきたとおもう。
要するに、相手の企業が何を考えているかを掴んで[想定して]、筋を通したシートを書き上げることである。あそこでこういい、こちらでこう言うというばらけた印象を与えないことである。
企業研究はてっとり早くは、HPを精読すること。更に詳しくは、企業がつくっているリーフレットが最善だ。時間があれば日経のデータを図書館でとってみるのも良い。
エントリーシートがめでたく受理されたとして、いよいよ面接である。
まず、前回述べたように時間厳守。遠くに行くのだからという甘えは駄目。早い内に出て、鉄道やバスなどの遅延事故に対処することだ。やむを得ず遅刻の時は、連絡を必ずする。
面接は概ね2種類である。第1に、数人がワンブロックを形成して、集団討論をおこない、その様を企業側が観察するということである。なにか論題やビジネス上の課題を与えて、みんなで議論して原案を練ってゆくなど、内容は様々。第2は、伝統的な企業側複数幹部、面接生一名ないし、2名という比率の個別面接である。
まず集団的面接の対策を考えておこう。司会を名乗り出るか否かで印象が違うという議論がある。しかし、無理をする必要はない。大体、真っ先に手を上げて司会をしなければ落ちると思い込んでいる御仁がいるから、どうぞどうぞとなる。では、司会をするタイプじゃないと思っているあなたはどうする?
一般的には、司会者の補佐を申し出るという戦略がある。司会者側に下手に回ると、全体としてどうなっていて、どちらに向かうべきかなど、うろたえることは必定。では、知らん顔をすれば良いかというと、さに非ず。企業人の生活を思い浮かべて欲しい。
企業はただで社員を使っているのではない。いずれにせよ、莫大な人件費を使っているのだ。だから、司会がまずいから会議は2時間空転した、迷走してしまいましたでは、仕事にならない。当然、学生気分の散漫な議論だったとしたら、人事担当重役を納得はさせられない。
司会者がそれなりの成果を挙げられるように支援することである。もちろん、縁の下の云々で司会のサポートが忙しくて、さっぱり自説を展開できないというのではだめ。
全体に貢献して居ることを示した後に、それでは私の意見はと、堂々と述べること。無駄に司会のアシストをしているのではない。チャーンと隘路[論議のなかでボトルネックになっている論点は必ずある、見落としとか、バランスの悪い断定だとか]を見破ることだ。しかし、三人よればで、集団的に智恵を持ち寄るとなかなか全体としていいねーという意見がばらばら出るものだ。そうした時は、誰々さんがおっしゃるようにと、議論をうけて更にその先を述べる事が大切だ。
よくあるタイプで、ちゃかちゃか就活というかげろうのような世界でしきりに活躍しているのだが、廻りの大人がおだてるのだろうか、鼻が高くなっていて、「うちの大学の学生は鈍くて」、とか「バカばっかりで」とか言う人がいる。結局、こんな御仁は若くても老け込んでいる人が多い。小才は働くのだが、知的活動はゼロという惨状である。いやしくも大学で学んでいる人間である。就活では、大学生を相手企業は採用内定しようかどうかと考えているのだ。だから、ごね廻すだけで結論がない議論には要注意である。利潤があって始めて企業が成り立つし、それも出来れば社会的意義がある方がよい。いずれにせよ空論では飯が食えないと企業人はとっさに思うはずだ。
同時に、やたらに相手の意見に反対を叫ぶやからには、反対理由をじっくり聞いて「わかった」と機先を制し、一息おいてかねての自説のメリットを弁護する。なおしつこい反対者に対しては、対案はなに?と、聞くことである。ディベートばやりだが、勝つ為だけの論戦に終わることは、共倒れを引き起こしかねない。あなた方の討論机の着席者の内、何人を採用しなければならないなどという「義務」は企業側にはないのだから、呉々もディベートの実効性について意識すべきだろう。一生懸命の傍らに、鳥の目ではるか上から自らの姿を脳裏に捉えておくこと。
意地悪なワナにははまらない。もちろん、気に入らないひとが出張っていても、議論を生産性あるものにする努力をそれ以上に示すことである。
最終的にはなにを売り物にしあげるか、なのである。
最後に、実務面を注意しておく。気になる発言のキーワードにはノートをとっておく必要あり。しかし、間違っても全文筆記などしないこと。ノートづけに躍起になって、あなたの意見はと振ると「エッ」となる、大学のなかに良く居る、まじめすぎるタイプの人も実務的な歯止めをみずからかけておくことである。
さあ、これで集団面接への外形的な対策は出来た。勇敢に立ち向かおう。

ディジョン凱旋門から旧市街を望む。
左の赤い張りだしは、キャフェである。
冬の黄色い光が印象的。レンズはズミクロン50mmf2、
フィルムはコダックを用いた(2003年12月調査旅行から)。
ノンコーティングのレンズであるのでやや逆光に弱い。
その点もフィルム写真の味わいの一部となる。

2012年3月13日火曜日

東北大震災写真展3/30-31

写真展の詳細が伝えられて来た。
以下にご紹介しておこう。
沢山の皆様のご来場を願う。

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3.11 東北大震災

キヲクのキロク展

市民が撮った3.11大震災記憶の記録


「写真展」3月 30 日( 金)13 時~ 17 時  
     3月31 日( 土)10 時~ 17 時
「講 演」3月31 日( 土)15 時~ 17 時

入場無料 愛媛大学ミューズ一階、アクティブラーニングスペース1+2

講演 「語り 足立千佳子さん」
まちづくり政策フォーラム、みやぎ・やまがた女性交流機構、RQ 被災地女性支援センター

宮城県仙台市を中心にまちづくり活動をしている魔女。個人の思いをまちに繋ぐ“えんむすびと”。3.11 で体験したこと、災害の現状、まちの復興を語ってくれます。

大震災のこと考えてみよう。

私たちにできることを一歩拡げましょう。

写真提供: NPO法人 20世紀アーカイブ仙台
主 催: NPO法人 愛媛アカデメイア
    リージョナルデザイン株式会社
共 催: 愛媛大学地域創成研究センター
私たちは「NPOと企業の連携による社会事業」を進めています。

身近な方々にお伝えください。




にぎわいを見せるディジョンの中心街。2003年12月の記録から


2012年3月1日木曜日

3.11の記憶を風化させない催し

3月30日と31日を期して、写真展と足立千佳子氏によるトークの会を催すことになった。
場所は愛媛大学ミューズ一階のアクティブ・ラーニング・スペースの1および2室である。
詳しくは追って掲示したい。
主催は愛媛アカデメイアおよびリージョナルデザイン株式会社で、愛媛大学地域創成研究センターの後援である。
足立氏は、グリーン・ツーリズム、モビリティマネジメント、コミュニティビジネス、住民の参加と協働などを専門とされている。仙台で活躍中の《まちづくり魔女》である。
30日は写真展、31日は写真展+トークとなる。
3.11の記憶は日々に希薄化する危険性がある。日本と世界を揺るがせたこの大震災をしっかりと銘記し、災害にうたれ強い社会や都市/農漁村構造の構築が急務である。
沢山の皆様のご参集をいただきたいと考えています。

凱旋門:プラス デトワール
あおりによる画角の関係か、足をふんばっている感じだ。

2012年2月20日月曜日

画一性と独創性またはフォーディズムと人間の個性

教育学部の社会科教室が開いている卒業論文の発表会をうっかりしていて、慌てて会場に走ってゆく。あらかた終わりに近くなっており、最後のお二人の報告だけ聴くことが出来た。
最後の報告で、情報化社会による人間の画一化と動物化についての議論があり、内容的にも面白く思った。
報告では、東 浩紀氏のネット上の論説(「情報自由論」)が引かれていた。「私たちは、いま、世界中でコカコーラを飲み、マクドナルドを利用し、ディズニーアニメをたのしみ、マイクロソフトのOSを起動しているが、この画一的な市場は云々」として、商品と快楽の条件反射状態をユビキタス化した情報ネットが猛烈に促進し、あなたが欲しくてたまらないものはこれこれでしょうと、消費行動が先回り的に解析されプロモートされ、自らのじっくりした判断などはおいてけぼりになる。そこに「漠然とした居心地の悪さ」の原因があると著者は指摘するわけである(卒業論文レジュメの引用文によっている、念のため)。
社会情報論に興味があった関係から、大筋の批判的論調は理解できるのだが、やや前提としている論点に引っ掛かりを覚えた。
というのは、ICTなるものはそもそもが定型的な手順を機械が代行してくれることを目的としてるが、その際、「人間はむしろ楽になった分だけ、創造的な仕事に打ち込める様になる」といううたい文句で推進されたのではなかったか(どうも偉い人たちの公約違反には私たちは寛容になってしまっているかもしれないが)。政策当事者も有力メーカーもただ利便性を訴えてきただけではない。そこには、自由な時間の拡大=個性の伸張という仕掛けがあったわけである。
たとえば、さらなる利便性を追って、タブレット型の大小のコンピュータが大はやりとなっている。電話通信と巧妙に融合がはかられ、機器の人気に売る側は大喜びである。
しかしその裏で、キーボードを使って高速タイピングが出来ない若者が大量に生まれつつある。タブレットの下に出てくるキーボードではかちゃかちゃ長文を打つのは難しい。
明らかにデザイン優先の見かけの利便性による人間の能力の貧困化が目前で進行している。双方向性をうたうシステムや回線が、じつは圧倒的な情報量をもつ販売企業にハイジャックされているのである。
人々は忙しいし、長文の論説に追いつけなくなっており、合衆国の大統領も含めて何事もワンフレーズで事を済まそうとしている。商品の純粋な買い手たるネット消費者になろうとしているのである。
しかし、年寄りの愚痴ではないかとの会場からのコメントもあったが、果たしてそうか。東氏の先駆的な論説も、省察しつつ批判的に読み取る必要があるのではないか。
例えば、東氏の議論の前提において、「世界中でコカコーラを飲み、マクドナルドを利用し、ディズニーアニメをたのしみ、マイクロソフトのOSを起動」と言われるが、この思い込みは結構重大ではないのか。我々は、小論をたたき出す為にコンピュータの厄介にはなっているが、決して、超大量生産のハンバーグも口にしないし、アニメにも入れ込むつもりはないし、モータリゼーションにも最小限のおつきあいしかしていない。フォーディズム=モダニズムの等式が、完全な相互包摂の関係にはないのではないかということである。
地域の文化や経済は完全にフォーディズムやグローバル化に呑み込まれつくして居るわけではない。
チャップリンを想いだすが、人間は強力な量産品の嵐のなかでも、個性をなお主張することを止めなかったのではなかったか?
フォーディズムの決定的な影響力は分かるが、そこから人々が「完全に画一的な生活」を営んでいると断定するのはややリアルではないと思うのである。(本論考は未完)
ルーブル美術館にて

就活生はしっかり勉強すること:WSJ日本語版について


The Wall Street Journalがネット上で日本語版を出している。他社に見られない明快な切り口であって、ロイターや日経と共に就活生におすすめである。
二人の日本人女性のリポーターがNYに常駐し、レポートを送っている。アメリカ事情を知る為には、最適の報告であろう。また、NewYork在住という生活感を伴った報告文の展開も好感がもてる。
どこかの放送局のスポーツ・アナウンサーだったろうか、ヤンキースタジアムへの取材で、「さあ、皆さんニューヨークですよ!」と、叫んだのが面白おかしく思い出される。世はコンパクト・シティの構想が新鮮に受け取られ、大都市信仰が終わるべき時代においてである。
肥田さんや津山さんの記事からは、Big appleすなわちニューヨークという澱んだ大都市空間に呑み込まれたり、権力崇拝の合衆国教信者になったりもせず、新しいトレンズを敏感な触覚で選び取り、批判的に掴んでいくクールな女性ジャーナリストたちの生き方が伝わってくる。お二人が体現されている新しい知性のあり方に共鳴する。
明日のNPO法人愛媛アカデメイアの学生事務局会議は、いつも通り事務連絡から、新聞・メディア情報を使った勉強会になる予定である。その際には、肥田さんや津山さんのレポートを教材に使うつもりである。
ただ、WSJ日本版も鍵マークのロックが目立ち、有料記事にほとんどが移ってしまっていて、われわれフリー読者にはやや「住みにくい世の中」になりつつある。就活生への社会支援という観点から、フリー記事の範囲を選択的に拡げていって欲しいと思う。若い世代へのサービスは将来の読者開拓にもなると思う。
肥田さんの最新の格差問題に関する報告http://jp.wsj.com/US/Economy/node_394449からは、ピエール・ブルデューの文化資本のロジックが思い浮かぶ。フランスの現代思想が、福祉政策の強力な欧州よりも、自助努力を多くの市民が標榜する傾向のある合衆国でむしろ「あからさまに」立証されつつあるようだ。
人間個性の自由な伸張を阻む息苦しい既得権益のネットワークから、いかに我々は解き放たれるのだろうか?
21世紀的な先端的な問題群がそこにある。
ヴェニスにて

2012年2月17日金曜日

内閣府地域社会雇用創造事業:SB1グランプリin愛媛地域活動報告会


2月16日午後、市内の催し会場にて内閣府の「地域社会雇用創造事業」である「SB1グランプリin愛媛地域活動報告・交流会」が開かれた。
愛媛アカデメイア、愛媛銀行、青井さん、川崎さん(それぞれ2010年と2011年の受賞団体代表)、マルク北野社長(メンター)の報告があった。特別講演として(株)エイトワン大藪社長のお話をうかがう。道後を本拠に大きな発展の見通しを語られた。夢があり、社会性を備えた活力ある講演だった。
交流会も2年間の蓄積を感じさせる和気あいあいの雰囲気で、新しい連携の芽もいくつか得られた。
地域のインキュベーション(起業支援)は、たやすことなく今後ともより大規模に展開できたらと、強く感じた。
可能性をきりひらき地域おこしに奮闘するみなさん。
明晰なご報告であった

2012年2月15日水曜日

就活まっさかり


就活生の皆さんへ、

企業説明会の花盛りですね。
エントリーシートや履歴書のしっかりした制作のためには、企業研究が絶対に必要です。各企業についてはエントリーする前にも後でも、パンフやHPなどで十分に研究を行って下さい。何を商品として売り込み、どのように「なりわい」をしているかです。
なお、老婆心ながら、1時間で面接の企業会場に着く予定という場合も、2時間前から向かうこと。特に平常時なら良いのですが、いったん事故云々となると大都市圏であっても、あるいは大都市圏なるがゆえに、交通網は意外にも脆弱です。必ず別経路も調べておきましょう。どうしても事故等で定刻まえに会場到着が無理ならば、相手企業の担当部門に電話を入れておきましょう。迷惑をかける度合いが少なくなります。丁寧に事情を述べ、遅れの度合いを伝え、面接を受けたい旨、はっきりと述べること。放棄することもあり得ますね。その場合にも相手企業に伝えておく方がベターでしょう。あなたの時間枠を他の人の為に使えますから。
会場に早く着きすぎて時間が余ったら? もちろん調べたことを復習です。それと、他大学の学生が良く業界のことを知っていて、気おされる人が多いみたいですが、大抵はネットの受け売りか、ご両親や知人からの横流しです。気にせず淡々と行きましょう。就活の世界には絶対ということはあり得ません。しかしながら正攻法で、まじめに取り組んでいて損はないのです。
これが重要:終わってからは、簡単でもいいですから、『就活ノート』に反省と課題を箇条書きしておきましょう。直後の印象は大事です。詳しくは自宅で書くといいでしょう。文章化することで要らぬ気遣いから解放されます。困ったなーと留意事項の対策を思い続けてしまい、堂々巡りの揚げ句、いらいらすることなども、ある程度軽減されます。また、出来が悪かったとしても、うまくいかなかった理由を分析することで、力がついてきます。うまくいったとしたら、円滑な対応の要点(試験官とのやりとり)を記しておきましょう。いずれにせよこうした教訓は、別の機会にも応用編で使えますから(これ内緒)。
特に敗戦は意外にもご自分にとって貴重な教訓の宝庫なのです。前の項の「気付いた留意事項」について、出来ることなら俊敏に対策を講じましょう。ただ、理想主義的に考えてしまい、すぐには出来ないことを構想してしまう場合もあります。そんな時は就活支援にあたっているNPOの担当者の方々だとか、大学の就職部の専門家やセミナーの先生方に相談してみましょう。有効な代替案が見つけられれば精神的負担もより軽くなります。抽象的に思い悩むのではなく、具体的なアクションに分解し落とし込んでゆく作業が大切です。
ひところの阪神タイガースみたいに負けが混んでやる気を無くしたらどうしましょう。これはまったく休むの一手ですね。サプリメントでビタミンCやB群、Eなど補給する手もあります。意外な落とし穴は、ストレスの効果として過食に陥っている場合があります。アルコール類は速い効果があるみたいに見えて、意外に呑まない方が疲労の回復が早い場合があります。甘いもの、特にチョコレートやアイスクリームなど過剰にとり過ぎない様に注意ですね。要は野菜中心の食性にして、出来るだけ歩くことです。

パールシティホテル神戸のトルコ風グリーンのエレベーター扉。
2月5日から6日にかけてだったか、
天津から大規模な観光客が滞在してにぎやかだった

2012年2月13日月曜日

『グワンシ(関係):中国人との関係の作り方』を読む

ディヴィット・ツエ/古田茂美著『グワンシ(関係):中国人との関係の作り方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を一気に読んだ。経営学的視点によった興味深い現代中国社会の分析である。
グワンシという中国的なネットワークの功罪を、現代中国において活躍する著者たちならではの切れ味で解明していっている。良い意味でグローバルなスタンダードを考慮した対等な目線が気持ちが良い。また、現状を中国の特殊な近代化の経緯から説明しようとする歴史的/構造的な方法論にもシンパシーをおぼえた。
因にWebでグワンシを検索してみると、下記の書評に行き当たった。
「経営とITに関する読書ノート」http://koken80.blogspot.com/2010_04_01_archive.html である。一昨年の4月に園田茂人『中国人の心理と行動』NHK Booksに関する書評がこのブログに登載されたのであるが、文字通り本書と通じ合う論点が簡潔に示されている。園田氏の文献は未見だが、いずれにせよ現代中国のひだをより深く読み取ろうという志向が関係者の間で強まっていることは事実であろう。
神戸夙川学院大学の軽やかなファサード(2012年2月7日)
キャンパスから神戸港を望む(ようやく晴れ間が、同8日)


2012年2月11日土曜日

被災地復興支援の活動はどうあるべきか:試論ノート

フランス人はNotes et Études[ノート・エ・エチュード]という言い方が好きだ。直訳すれば、「注記と研究」だろうか。モノグラフ[単一主題の論文]の下にかなり多くの注記がある場合もあり、こうした論文スタイルは経済学分野ではあまりはやらなくなっている様だが、行政学や政治学では依然として昔のままである。むしろコンピュータがこうした衒学的な傾向を加速したという皮肉もある。だが、ボルドー政治学院のサドラン教授等、彼地の研究者の注記は本文とともにわれわれフランス政治の観察者に貴重な情報源である。我が国の研究者も、暫定的な研究・調査の報告書に「研究ノート」というジャンル分けをする場合がある。正規の論文ではないと自ら称する場合だが、反対においしいものだけ並べようという下心ある論文よりもはっとする論点が、ひっそりとノートとしてあったりもする。論文だから高品質で研究ノートがより下位に属するとは言い難い。
さて、上記のノート・エ・エチュードだか研究ノートだか、いずれの呼び方でも良い。試論を展開しておこう。震災/津波被害からの復興という仕事を考えるときに、防災や減災の考え方を当然取り入れるべきだろう。海辺は住み慣れた場であるからと、元通りの海に近い海抜のところに再び住むというのは、やはり今後のことを考えて控えるべきだろう。在る程度の高度のところに住居と公共施設や産業を移転すべきである。海浜部に設けなければならない漁業施設や港湾設備などは、十分な安全補償システムによって防護されるべきである。NPOでは日本土木学会が本学に開かれたのにあわせて専門技術者を招いて勉強会を催した。市街地の作り直しの手法についてのベテラン技術者の報告は印象深いものだった。
公共性のつよい住宅建設、産業基盤整備などの事業が雇用を創出することがもちろん望ましい。現代のニューディールである。支援事業だが、寄付金/義援金募集タイプの活動のタイムスパンは長期にわたることは困難である。ならば、国の全力を注ぎ、産業(1次産業から6次産業まで)の復活と新規創造が望ましいことは当然である。復旧を成し遂げたかどうかは、緊急の避難状態から、静穏にして質のたかい雇用と生活の状態をすべての東北の人々と共に、われわれすべてが取り返した時、言えることだろう。
同情する、何かと気になるという反応(エモーショナルな同調性)は、それはそれとして、人間的に大切な反応だと思う。しかし、市民生活の復興という展望を獲得する姿勢には、まだやや距離があるのではないか。また、特に過剰なボランタリズムへの寄りかかりや過剰な期待にも要注意である。収入をともなう長期的な支援活動や起業支援の活動が望ましいし、除染を含めて市街地の復旧/改造、活性化のために大量の公的な資金が投入されて然るべきである。被災地の人々を中核に健全なプロフェショナリズムの展開が必要である。男女共同参画、ワークシェアリング、おおいに推し進めるべきである。
ここは、社会的なビジネス(Social Business=SB)やコミュニティ・ビジネス(Community Business=CB)の考え方を是非とも取り入れなければならない。共に、社会的課題にたちむかい、事業として成り立ち、革新性をそなえた事業取組を包括し、特に特定地域に収斂したSBをCBと呼ぶ。本稿では両者を特段区別せずに論じ、SBという表現を全体として用いるであろう。
さて、除染も慎重に全域にわたって行われるべきだ。首都圏ももちろんである。巨大な課題だが、この任務に日本の技術が応えられれば、only oneのイノベーションにもつながる。日本の科学技術陣の正念場である。
善意と人々の注意を引く魅力とをもった勇気づけの良質なイベントが必要である。だが更に考えれば、肝心の日常生活の構造的なテコ入れと立ち直り、コミュニティの再建ということが今後はより重要性をもってくるだろう。もちろん被災現地の人々の要望と方針/政策が基礎の基礎であるべきであり、被災地再建の取組を利益第一の視点からするいたずらな草刈り場にしてしまってはこのさきこの国自身が危ういことになってしまう。何とかしなければは心情的には理解できるが、ならば専ら催しや対話によってのみ何事かが変わると想像していたとすれば、事実に即したことにはなるまい。この先、数十年のタイム・スケールですべてが構想されるべきである。その為には、話題を拡散させ、芸能ショウの連続みたいなTV娯楽番組の連鎖は要チェックであり、批判は免れまい。こうしたレベルの日常生活主義は、日本人の飛躍の足かせになっている。エリート主義を吹き込むということではない。しかし、日本社会がもっている反知性主義の深層での克服は、より強い意味においてその意義が再把握されるべきだ。
風化は始まっている。それに日本社会の劣化も深刻に進行中だ。被災地も、われわれ西日本の地域も、産業の冷え込みとシャッター街化する現状と潜在的な核の脅威に引きずり廻されている。新鮮な海山川の幸と適切な調理や自然な加工食品の絶妙な組み合わせこそ、我々の寿命を世界最高水準にまで延ばしている食性であり、日本人が世界に誇ってもよいものだ。しかし、長寿は単なる身体的な長寿命に矮小化されてはならないであろう。お年寄りがコミュニティの中で尊ばれ、人間的な環境において日々生活することが出来なければならない。
過疎化、少子高齢化、地域産業の冷え込み、有効な雇用口の減少などなど、どの基準をとっても東北と四国島にいる我々とは同質性をもっている。我々が共に智恵を備えた行動力ある存在に飛躍しなければ隘路は突破できない。土曜朝のNHKテレビでは週末のふり返り番組があり、結婚する若者の割合がますます減少しているという問題が討論されていた。若者の就業形態が不安定化していることが一因だとのレポーターの指摘に、派遣系企業の利益代表や落語界の師匠が、「豊かな社会」における若者の贅沢な要求が根本問題だという対応を終始行っていた。前者は、派遣で年俸240万円だとしても、夫婦で働けば480万円になるとの意見であった。派遣労働/不安定就業形態の長期固定化のかなたに何を目指そうとしてるのだろうか?また、高福祉といっても北欧の国は規模が小さいから手厚く出来ると見解を述べていたが、それは論理的に反対ではないか。スウェーデンの様な1000万くらいの規模の国でさえ、環境への意識の高さと高福祉によって、強力な存在感を国際社会に与えているのではないか? 住宅の質とレベル、在宅看護の先進システム、失業/失職者へのサポート、男女共同参画/労働の社会的な分担と棲み分け(Work-share)、高い水準の教育(原則無償)と優れた生産性の維持、環境への高度な配慮…我が国も高福祉社会に仲間入りしてどうしていけないのだろうか? また、NPOやNGOなどを先頭に先進社会のノウハウをアジアに供給することによって、日本はアジア諸国に対して良いスタンスに立ちうる。
放送には、沢山の若い視聴者から意見が寄せられたという(残念ながら、ほとんどその内容は紹介されなかった)。
東北支援と四国地域のインターンシップの展開は、このようにグローバルなより大きな問題領域に繋がっている。社会的ビジネスこそ真の出番の時代なのである。若い知性の東北への派遣とともに、東北の働き手を西日本が積極的に研修生として受容れる事によって絆は深まってゆく。双方向的な起業おこし=インキュベーションが強く叫ばれなければならないであろう。統計資料も経過的な動きを示すのか、恒常的なトレンズをしっかり捉えているのか、判断は常に慎重にあるべきだろう。鼻息あらい業界利益代表に女性論説委員も若い社会学者も十分な反論をしているとは思えなかった。フランスの育児手当ての手厚さも紹介されていて参考になったが、若者サイドにたったまじめな理論の深化と共に、しっかりしたディベート力の備えが、いやしくも改革を求めるからには絶対に必要である。(本稿は未完)
2月8日、ようやく晴れてきた。六甲山系がきれいに見渡せた。
神戸市街も一部見えている。
ドスンと大きいスウェーデン風のデザート(IKEAのキャフェテリアにて)

2012年2月10日金曜日

NHK大学セミナーin愛媛大学が盛会でした

「NHK大学セミナーin愛媛大学」と題する講演、対話集会が2月9日(木曜日)14時から15時半まで催された。今回は、『コメディアンのサンドウィッチマンと考える 被災地への復興支援』と題される取組だった。伊達みきお、宮澤たけし両氏は宮城県仙台市出身。当日はたまたま気仙沼漁港を取材中だったとのこと。一瞬の判断で撮影のクルーと高台に避難。当事者ならではの迫力ある報告であった。
その後、おおいに募金活動など展開されている由。立派なことだと思った。
会場は立ち見がでるほど満員。
ちなみに、会場となった施設は中規模のホールで、大学へのカリフォルニア在住邦人による戦後期の寄付をもとにした建造物。貧しい新制国立大学の状況をみて、同胞が寄付金を合衆国でつのり、建物の寄贈というかたちの支援をしてくださった由。近年、この建物も痛みが激しく、2009年春に、もとの建物の外形を保ちつつ徹底的に耐震リフォームがなされた。南加ホールの名称はそうした歴史の重みを伝えると共に、奇しくも復興支援の集会にふさわしい場となっている。

私たちNPOの東北支援活動は、大学側(愛媛大学学生支援部)が用意した参考資料に、画像とともに詳しく掲載された。
いよいよ次なるステップに進みたいと切実に思った。

いかにも体力があるなというおふたりだった。
コントはテンポが良く、スピード感があり、若い感性にぴったりだ。

愛媛大学南加ホールは240席ほどだが、立ち見がでるほどだった。
T-ACT=東北支援で活躍してくれた学生諸君が多く見受けられた。
大学側用意の支援活動記録。支援の灯を絶やさない大切なアピールだ。

神戸に向かう

例年通り、神戸夙川学院大学にて社会情報論系の授業をおこなう。
今年は厳しい寒波の中での集中講義となった。これで5クール目となるが、なんとなく帰ってきたという気分になるから妙だ。
7日(火曜日)には昨年同様にIKEAの神戸店をのぞいた。キャフェテリアも平日なのにかなりの客がいた。やはり年度末だからかな。
特急しおかぜの改装車両

いつもながら瀬戸大橋は圧巻である。瀬戸内も冬の顔を見せていた。

新神戸から三ノ宮へ。そして新交通システムであるポートライナーに乗る。

広々した市民公園でサッカーをするひとが多い。

白く優雅なフェリー。発着場をまたいでポートピアに向かう。

湊の業務をこなす「働く船」の面々。

去年と同じホテルだが、内部は改装されていた。

窓を開ければ南東の方面が見渡せた。
VANやUCCやIKEAという個性あるビルが建ち並ぶ。

宅配便の関係企業がならぶ埠頭。

昔なつかしい社名に出会った。


2012年2月3日金曜日

雪の朝

松山にしては珍しい雪の朝となった。
気温も零下に下がり、なかなか雪も解けない。自転車で通学・通勤の人が多いが、道路が滑りやすく、難儀をしたひとも多いと思う。
いつもながら自転車を引きながら歩いてミュージアムに向かう。
割としっかりした靴を履いているのだが、それでも所により滑りやすい。ビブラムソウルでも余り効果がないみたいだ。自転車の走行は滑りやすく危険だ、引いて歩くようにと、パトロールカーが町中を指導して廻っている。
大学の期末テストも山場になっており、来週にはほとんど終わっているだろう。
御幸から東の山麓を見る

御幸からかえりくま神社方面を望む

西ははやくも快晴の気配

松山市御幸から松山城を望む

ミュージアム中庭にて東方向を撮る

ミュージアム中庭にて北側面の様子

ミュージアムのキャフェもテラスは真っ白。

語学の時間を終えてミュージアム中庭を雪見の女子学生


2012年1月31日火曜日

学生事務局会議にて


昼は学生事務局会議。291時半開場の南加ホールでの東北支援のNHKトークショウ(サンドウィッチマンさんが来学)について情報共有。とにかく皆さんに呼びかけないと。
それから今日はやや趣向をかえて、ユーロ危機について考えてみた。参加者にとって一見とても複雑に感じられたみたい。しかし、アメリカのサブプライムローン破綻に端を発する金融危機[リーマンショック]の応用問題と見ることで、大きくアナロジーが働くはず。EUが結局、中央部の先端技術を有する金融強国による周辺部諸国の資源の刈り込みに終わるのか、あるいは、諸国民連帯の新基軸に成熟してゆくのか、まさにここが分かれ目だ。EUの専門家は時に統合の拡大深化が絶対に善なるものだという前提で語る場合が多いが、「善なるもの」にUnionを押さえ込んでゆく具体的な政策的発想が乏しくないか。フランスを対象にしておきながら、EUについては勉強も浅いが、素人目にはどうしてもそういう印象がぬぐいきれないのである。しかし、…思わず議論が長くなってしまった!

ランスの大聖堂を背景に。
二度の戦火に焼かれた大聖堂が絶え間なく修復されてゆく。
とにかく大きい。
駅前から市中心部に向かうと、上空にヌッと尖塔が突き立っている。

2012年1月30日月曜日

身辺情報整理:マイレージ・カードなど

エール・フランスとKLMオランダ航空は同じ資本であり、国内主要ウイングとしては日航が提携していることは良く知られている。エールやKLMを包括するマイレージ・カードがFlying Blueである。
しばらく海外にも行っていないので、このカードが行方知れずになり、情報整理の作業中に参ってしまう。再発行もありうるが、これが実に大変みたいだ。そう、やたらに再発行できたのでは不正使用が野放しになるからだろう。やれやれ、机の一番奥にあるのを発見。それから、アクセスがやっと出来た。いまやため込んでいたマイレージも期限切れとかで0マイルと出てくる。
運行表が出発空港と到着空港を指定すると出てくるが、全体を見渡すのが非常にやりにくい。例えば、国内の全日空、日航の便のそれみたいに、今月は成田なり羽田なりからあれこれの時間に、何便パリに出発します。使用機体はこれこれなど、こうした情報はどうひっくり返してもでてこない。
言語の制約もある。建前は日本語でというが、運行表を見ていると、トランジットの案内など日本語交じりの英語になったりして、呑気に見ているぶんには面白いともいえる。
旅行者と海外航空会社とが直接コンタクトがとりにくいという印象だ。
その分、旅行会社がそれなら是非ご旅行の手配はうちでとなるのだろう。
試しに、松山空港からトゥルーズやリヨンなど入力してみると、羽田の国際空港で乗り継ぎができて、パリでは、シャルル・ドゴール(パリ北郊)からオルリー空港(パリの南郊)へ移動し(リムージンかRERの利用による)、それから国内線に搭乗とか、いやドゴール空港でのトランジット(絶対こっちが便利)だとかいろいろ出てくる。
これまで国際路線と日本やフランスでの国内空路とがイメージ的にバラバラだったのが、エールのサイトで打ち込んでみたお陰でようやくイメージ的にひとつになった。

それにしても松山はひどく寒い。みぞれが降る。他の地域はどうだろうか?気温は、ミュージアムの中庭の寒暖計では正午に7.4度と出ていたが、風が絶え間なくふいて、体感温度はそれよりはるかに低い。今日はそれでも冷え込みが弱くてまだマシだ。

テレビで山田風太郎日記のことが取り上げられていた。三国連太郎さんの重厚な朗読がまた味があって良い。風太郎は良く知らない作家だが、すこしずつ読んでみようかと思う。東京の多摩にある作家の自宅は、完全に生前の状態が保たれているという。奥様のご尽力があったからだろう。

そうそう忘れるところだった。大学生協販売部「えみか」の前庭に愛媛大学放送研究会の皆さんがDJのデスクを出して、トークとポップスのなま放送をしていた。実に寒いなかでのディスク・ジョッキーである。許可をもらって学生部員達の奮闘の様をカメラに撮った。放送研究会の皆さん、がんばれ!
やっぱり、ガラス張りのサテライト・ブースがあるといいな。
にこやかに話している。音楽のチョイスも良い。

ギャラリーもちゃんと控えている。
右側の店舗にはもっと沢山の学生達が居る。
それにしても寒いね。


2012年1月27日金曜日

学卒未就業のかたがたへの支援講座を終える

昨年の2011年7月25日月曜日から始まった学卒未就業のかたがたへの職業訓練講座が本日、2012年1月27日金曜日をもって終了した。
当初4名の受講者で始まり、途中、就職につき一名が辞退し、最終的には3名が訓練の全過程を終了した。
昨年の組織では、中央職業能力開発協会のおこなっている平成23年度 緊急人材育成支援事業に係る職業訓練の内、新規成長・雇用吸収分野等訓練コース(基礎演習コース)をわれわれが担当したのである。
独法の整理統合の結果、現在では、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構に属するポリテクセンター愛媛が所轄している。厚生労働省系の取組である。
実施に当たっては、愛媛大学に特段の配慮をいただいた。特に教室の確保には非常な便宜を図っていただいた。また、乏しい財源であったが、講師陣には多彩な人士をお招きできたと考えている。各位には改めてお礼を申し上げておきたい。
特に小さなクラスしか形成できなかったが、法人の地域おこしへの貢献という大目的からして経済性を度外視して実施した面がある。受講者のみなさんの努力に敬意を表しておきたい。
本コース運営の円滑な事務処理は、事務局長と武智氏の尽力に負うところ大であった。
法人としても貴重な経験であったと思う。



NHK大学セミナーin愛媛大学:サンドウィッチマンと考える「被災地への復興支援」

NHK松山放送局と愛媛大学の共催で、上記の催しが行われる。
案内ちらしのリード文の一部をご紹介しておこう。
「宮城県仙台市出身であり、昨年3月11日、気仙沼港の魚市場にて東日本大震災に遭遇し、一時避難をした経験を持つサンドウィッチマン。震災後は、メディアを通じ被災地の現状を訴え、いち早く募金活動を開始するなど地元愛あふれる支援活動をおこなっています。
 本セミナーでは、彼らが震災体験や、自身が行った支援活動について語る他、今後求められている継続的な復興支援について、学生のみなさんと考えていきます。」(以上、引用終わり)
 このセミナーは、共通教育科目のなかでの指定学術講演会のひとつになっているとのこと。

開催日時等は以下の通り。
日時:平成24年2月9日(木)午後2時から3時30分まで
場所:愛媛大学南加記念ホール(松山市文京町3番地)
1月23日から、愛媛大学学生には整理券が共通教育チームなど、大学事務局を通じて配布される。

教員側の活動事例も報告する。


2012年1月26日木曜日

土佐高知への行き帰り

第三回のソーシャルビジネスの競争環境/市場動向調査にかかわる研究会に事務局長と共に参加。
1月25日、水曜日の朝方、例により小型車に便乗して、土佐高知に出発。山岳地帯をぬける高速道の一部が50キロ制限になっていた。徳島の方面が云々と電光掲示板に出ていた。一部不通である。遅れ気味で高知に着く。時間がないのでコンビニの弁当をしいれて、会議場に持ち込んで食する。
やはり積雪で参加が遅れるというかたも居た。
例にない寒波である。1時やや過ぎてからの開会。
四国の人財育成にかかわる「若手の会」の皆さんだろうか、20人程が陪席されるとのこと。熱気とにぎわいのある会だった。
畠中智子氏の司会進行で色々な議論がでた。
帰りは高速バスで松山に帰着。JR高知駅で16時半発のバスが、18時50分に松山大街道[全日空ホテル前]に帰着した。本当に高速である。大学からはいつも通り自転車で帰る。幸い雪で足止めとはならなかったが、どこもひどく寒い。
しかし、高知市は松山より明るい感じであった。気温もやや高かったのではないか。だが、そればっかりでもなさそうだ。太平洋岸の黒潮と陽光の強さだろうか、どこかすっきりと街並みの色構成も違うみたいだ。明度が高い暖色系だ。
ともかく人口や経済的な収益だけで都市を評価する時代が終わったのだ。コンパクトシティや輝く都市だとか健康都市[コルビュジェ風の古い言い方だが]という新旧のタームが頭をよぎる。バスを待つ50分ほど、市内電車の映像を撮り、駅中のキャフェで一服する。
様々のアイデアが頭の中を去来する。
雪の高速道、四国中央からはひたすら南下する
山また山、トンネル越えで突っ走る
畠中さんの快調なテンポ
ボディーの配色と電光掲示システムが面白い
乗降は向こうのホームで。
路面電車としては日本最古だという。
夕陽に街も電車も綺麗に染まる

2012年1月23日月曜日

マハンの著作---しかし超多忙で何をしているのか分からなくなっている


 久しぶりに大学生協の書籍部で新刊を見渡す。講談社学術文庫に麻田貞雄先生の編・訳になる『マハン海上権力論集』が入っていたのを見いだす。うっかりしていた。マハンAlfred Thayer Mahanは各国の海軍軍人に多大なる思想的影響を与えたアメリカ合衆国の提督である。秋山真之も教示を仰いだという。軍人が著作にも長じているというのは、『戦争論』のクラウゼヴィッツを想起させるものである。かつては研究社のアメリカ古典文庫の一冊であり、前任校の図書館で黒い装本の訳書初版を手にしたことを覚えている。もちろん、講談社版は補訂をほどこされている。大陸を開拓征服しつつ海洋に乗り出そうとする若い合衆国を、文字通り象徴する人物のひとりである。
現役の教授職にあったころは、こういう場合、原書もそろえてみたりしたのだが、退任後は文庫本を吟味して買うようなひどい知的貧困である。年金生活者の文化水準はまあこんなものかも知れぬ。
学生諸君には不思議がられるのだが、文献は読んでも読まなくても血液みたいに身の回りに循環していなければならないというのが持論だ。わがカンパニーも甲板まで波に洗われだして、大きなうねりにがぶり始めている。危ない危ない。
読まぬ本は積んでおいとくという心的態度は[“積ん読”は、悪い冗談だ]、そこそこ正しいと思う。それはいずれ、ああなって、こうなってという素材となり、素養を肥やし、授業づくりや知的エッセーのネタに役立つのである。
発見の喜びがあるのはなにも理系ばかりではない。文系もやはり偶然をからめた発見と出会いの連続である。いくら電子化してもこのことは変わらない。
よろしく人は積極的に発言しうるライターでもあるべきだ。

2012年1月19日木曜日

冬の追憶

かねて学卒未就業のかたがたへの支援を行っている。
大学側からの理解ある措置を得て、教室の一角をお借りしての6ヶ月余りにたっする支援活動である。厚生労働省系の支援事業への参画である。私たちの第一期の取組がようやく終わりに近づいた。昨日は客員の先生が来講されて、身辺も、ひととき華やぎをみせた。
来年度の事業継続への申し込みが始まっているので、書類をそろえ始める。粛々とすすむしかない。
とにかく若い世代をはじめ人々の就業構造を改善しなければならない。仕事、休養、育児、健康、スポーツなど文化的活動、コミュニティ作りなどなど、仕事ばかりかライフサイクル全般にわたって風格ある先進社会を日本に築く覚悟が必要だろう。

さて、このところ寒波が長く続き、またその上、氷雨となる。
松山もしばらくはまったくパリの冬空みたいであった。
ここからは『過去と追憶』編である。
83年初頭の冬だったか、この年はブラームスの生誕150年にあたっていた。FM局のフランス・ミュージックが連日、巨匠の作品を流している。シテ・ユニヴェルジテールの自室では、それをあかず聴いていた。
この都の冬の朝はまっくらで、キャフェは電灯をともして営業している。一時間目の大学院の授業など、とにかく8時台にはじまるので、宿舎に近いポルト・ドルレオンのキャフェでクロワッサンとキャフェ・クレム[フランス風ミルクコーヒーだが、余りうまいという印象がない、偏見かもしれない]をのみ込んで、地下鉄でサンジェルマン・デプレにゆき、それから政治学院にむかって走ってゆく。
パリ政治学院Institut d'Etudes Politiques de Parisは、第三共和制期に政治学自由学校Ecole Libre de Science Politiqueとして設立された。それ故、建物にはあまり歴史的な価値がないといわれているが、一般の街かどに高等教育機関がすっぽり入っているのは、日本では余り見られない光景であった。サンギヨーム街に正門があるので、この町筋はシアンスポ[俗称]の代名詞として使われる。官僚・政治家・企業管理者・研究者志望のものが集まる一大結節点である。
決まって朝はそのうえ雨が降る。嫌になるが仕方がない。午後からは、あくまで重く厚い鉛色の雲が偏西風にのって東の方にゆっくり流れてゆく。大嵐になることはめったにないが、参ることこのうえない。夕方のひとときのみ、厚い雲の西端が切れて、ばら色の陽光が斜めにさしかかる。レンブラントだろうか、泰西名画にある厚い雲の切れ目から注ぐ光の束が、なるほどなあと、ほんの短い時間めのまえに繰り広げられる。
パリでは僅かでも晴れるからまだましだと、誰かが、ため息交じりに言っていた。冬の方がヴァカンスが必要だし、旅の爽快感が感じられる。
パリ/サンジェルマン=デプレ教会も夕日に染まる。
2009年遍路と巡礼国際調査から
午後、時間がある時は、ルモンド紙を読んだり、古いキャノンの一眼レフカメラをもってモンスリ公園を歩いたりする。庭園はゆっくりした傾斜で北のパリ市内に下ってゆく。大規模なジャンクションであるダンフェール・ロシュロ駅(何本かの地下鉄線が交叉し、RER[エール・ウ・エール=パリ・レジオン高速鉄道網B号線]などの乗換駅である)が見えているし、パリ天文台の標準経度線が走っている。そこから北はリュクサンブール公園をはじめ大パリの市街域が展開しているのである。
しばらくは日本には帰るまい。祖国のありかたをそれまでになく深く考えた。
パリは極寒。雪の大地にたつサンジャックの塔、
時間的にはランスから帰って、パリ探訪となった
2009年1月、パリで一泊して
東駅から日帰りでランスReimsに向かう。
TGVと在来型電気機関車が並んでいる。
ランスへは新たな東幹線が高速でつないでくれる。

ランスReimsの大聖堂をかなたに見る。
晴れてはいるが厳しい寒さ。
右側のガラス張りの建物は、メディアテックである。
2009年遍路と巡礼国際調査から




パリ/ノートルダム寺院の東側内陣。
屋根の重量を分散させる効果を狙ってか、支柱の曲線がきれいだ。