2011年9月30日金曜日

ようやく授業である

長い夏休みが終わりつつある。
いよいよ授業である。あれこれと文献を読んで準備する。
R.バチェラー著、楠井敏朗・大橋 陽訳『フォーディズム:大量生産と20世紀の産業・文化』日本経済評論社は、近年の読書生活のなかでも画期的な収穫だった。
何気なく、この表題に引かれて読み始めたのだが、始めは難解な調子に閉口。これは決して訳文のせいではない。原文がおそらく力が入った集約度の高いものなのだろう。
ハイライトは後半のMass productionとModernismとdesignという現代生活に必須の現象をしっかりと分析し、その相互関係を解き明かすくだりにある。なんとなく自分として収まりの悪かったコルビュジェの位置取りもようやくはっきりしたみたいだ。肝心のフォードその人は、製品のコストダウンにのみ興味があったそうで、デザインには頓着しなかったという。工業製品のデザインにこだわったのはむしろ競争相手のGMだった。この辺の食い違いがとても面白い。
どたんばたんの内に20世紀は過ぎ、終わったのだ。
通勤途中に目にした日蓮宗のお寺の聖語、現状をあらわすにピッタリでは

おなじく通勤途中の不退寺に掲げられた旗が秋の日に鮮やかだった

2011年9月17日土曜日

ヨーロッパ・アート紀行の映像から

次男が絵画の専攻なので、大学が組織した欧州のアート研修旅行に参加してきた。
イタリア、スペイン、それにパリという順番である。
スペインからパリ・オーステルリッツ駅まではタルゴ寝台特急である。四人でひとつのキャビンをもらったとのこと。せわしい日程なので残念ながら私の知人を訪ねることも出来なかった。パリは大急ぎで一人で歩き回ったそうである。
最初に到着したミラノでは、大聖堂の前を雇用確保を要求するのであろう、労組のデモが通過し、集会が行われていたという。
多国籍の観光客、労組員、一般の働く市民など色々な人々が交叉し、すれ違っている。
まさしくEUの一角を担う歴史的大都市の十字路である。
それにしても大聖堂の三角形の頂点に向かって上向し収斂する力動感ある装飾ラインのベクトルには、圧倒される。

(映像はいずれもミラノ大聖堂前広場にて、2011年 9月6日 11時30分 撮影。)












2011年9月16日金曜日

雨と晴れの間---米山展、高大[高等学校=大学]連携の取組みなど

大学のキャンパスも少し色づいてきた。NPOといっても貧しくて、大いにその他の仕事をしなければならない。例えば、非常勤でのミュージアム勤務だとか、政治学関係の科目の講義などである。
いずれも仲間や学生さんに恵まれていて、もちろん感謝している。しかし不安定なことは事実である。
生活の維持には常に悩まされる。
さて、暑いあついと思っていたのだが、さすがにキャンパスの秋色にも気付かざるを得ない。時に激しく雨が降り、また、ぴんからの晴れとなる。空はあくまでも澄んでいて、紫外線の強さに驚く。
一草庵は俳人山頭火の終焉の庵[しゅうえんのいおり]であるが、御幸寺山[地元では「みきじさん」と呼ぶ]のふもと、大川からやや入ったところにある。年来、教育学部の自分の研究室の窓のそとはこの御幸寺の山の緑に恵まれた。窓外の風景は疲れた目をなごませたものだ。定員削減とて、この研究室も空のままにおかれている。
朝の光の中、東向き、大学正門を望む。うっすらと色づく木々。
カメラを北に向け、一草庵方面を望む。松山の地名に恥じない、深い木立である。
このところ、遍路と巡礼のシリーズに代わって、三輪田米山の第二弾である。
今回は「米山 仮名の美」という主題の元に、いくつかの重要な作品がさりげなく展観に供されている。ほとんどが大学図書館の所蔵だそうである。三浦教授によれば、晩年になるほどに書体が整ってゆくとのこと。人間、かくありたいものである。もちろん素人の私などに解読は出来ない。専門家の解説は極めて助かる。

本ミュージアムのデザインはすべて空間展示デザイナーの徳田准教授のアレンジによっている。
展示物を単独で観賞しても、いろいろなジャンルの展示を通して見た場合にも
ある種の安定した気分をうることが出来る。
統一的なコンセプトを基礎に、さまざまな技法が駆使されいるからだろう。
作品にはきちんとした専門家の解説が付されている。
今日は沢山の高校生で臨時展示会場がにぎわっている。 高大連携というのであろうか、要するに高等学校の教育課程と大学の方がしっかりドッキングして、高校生のモチベーションを具体化し、大学側としても優秀な学生をなるべく多く確保したいという動きである。というわけで、今日から、付属高校の皆さんの研究発表がミュージアムの一角で行われている。
高校生が報告するパネルに対して、専攻の分野にかかわるパネルには大学の教授陣も参加、交流の輪が広がる。制度的に高校と大学とが隔たったままであることは色々な点で不具合を産む。大学と高校、大学人と高校生/教諭の皆さんとの緊密な連携が維持されることは、とても良いことだ。
受付も高校生が担当。きちんとした雰囲気である。
専門家との意見交流。期せずして話しが盛り上がる。
教授と高校生の親密な対話が実現している。

2011年9月10日土曜日

秋の取組の始まり

NPO愛媛アカデメイアでは就活生への支援/インターンシップの組織や多業種交流
などの一環として、講演と対話の集会が開かれた。

表題: 社会人基礎力・プレ社会人交流会
主催:   NPO愛媛アカデメイア、後援 愛大地域創成研究センター
日時:2011年9月8日  16.30--18.00(予定)
場所:愛媛大学地域創成研究センター(愛大ミューズ3階、エレベーター前)
恒例の愛媛アカデメイアの就活支援の行事である。9月上旬に日本土木学会が
愛大で催され、パシフィックコンサルタンツの内藤堅一氏が学会シンポジウムの
司会者として来学。これを機に、本法人が愛媛ビジネススクールとして
展開してきた社会人基礎力の取組の一環として、講話と対話の集会を氏の
了解を得て行うこととなった。
内藤氏はビジネスマンらしく、きびきびした動き。
昼食はまず学内のイタリアンで、事務局の学生さんを交えてとった。
まず、内藤氏がそもそもコンサルタントの仕事になぜかかわるようになったか、など
興味深い話がいきなり飛びだした。
学内のミュージアムをざっとご案内。
講演会では、そもそもCivil engineeringだったものが、なぜ土木工学と訳されるにいたったか、
本来のシビル・エンジニアリングの任務は何かなど、多彩な実例を交えた話しであった。
また、企業社会でのメンタルヘルスやサバイバル術など企業人ならではの迫力ある内容で
あった。
就活を終えた学生やこれから就活という学生達に大いに役立ったと思われる。
また、東北支援TACTや四国インターン生も加わり、多彩な議論になる。
特に、陸前高田や気仙沼など三陸海岸の諸都市をいかに再生復興させるかという
最新の知見にも接することが出来た。
沢山の質問に答えていただいた。
内藤氏のメールから内容の一部を紹介しておこう。
「講話の件ですが、土木とか建設コンサルタントに対する認知度が世間一般では極めて低いと思いますので、どんなことをやっているという紹介から今評判の悪い公共事業の必要性に対する理解を深めてもらえればと考えています。
これは地域のまちづくりや防災等を進めるにも重要と考えています。」
企業人の経験から「会社で伸びる人伸びない人の違いは何か?東日本大震災を受けた東電の原子力発電所の事故や耐震設計の考え方の変遷」などにも触れる予定。
また、隅田川の橋の話しも紹介しますとのこと。関東大震災の復興に際して、技術者の養成を兼ねて様々な構造の橋が架けられた由、面白いと思った。
会の終了後は懇親会が行われた。
異なる職業階層や年齢層との対話を学生達が展開している本NPOの社会人基礎力養成の動きを内藤氏からは高く評価いただけた。
これからも東北被災地や四国地域の活性化の為に有力な企業人との交流を盛んにしていきたいと思った。

有り難うございます。

翌日は、午後に東北派遣インターンの成果と今後の展望について、毎日新聞の取材をうけた。
 
てきぱきと仕事をこなす内藤堅一氏。
長年の実務で鍛えた智恵の集積である。 歯切れよく回転のはやいお話であった。
環境建設工学=シビルエンジニアリングや復興支援、
街づくりなど 多彩な話題を中心に充実した説明と例示
氏の熱弁に引き込まれる。
参加者からの質問にも丁寧に答えていただいた。
会のあとの懇親会で。よかったねー!