2010年12月18日土曜日

冬休みに近づくキャンパスで

大学生協の販売部で見慣れないお弁当がでた。リターナブルの容器を用いてカロリー過多が気になる向きにぴったりの、ボリュームを絞った内容である。生協マークのレインボーの腕章を付けて、女子学生が販促をおこなっていた。TFT=Table for Twoという支援活動と連動しているという。
こっちも半ばボランティア的なアカデメイアだからこうした商品はつい買ってしまう。あとで聞くと5分で30食を売り尽くしたという。すごいすごい。
味わうとなかなか良くできている。これから平日は定常的に売られるのであろう。
アンケートに感想を書いて出しておいた。容器は清潔感のある半透明の樹脂で好感が持てる。
授業もほとんど終わった。だから親しい教育学部の受講生達と共に写真を撮っておいた。授業が終わった時には疲れているなと感じる。それでも勉強の結果を学生諸君に聞いてもらっているという感じがあって、生活の重要な一環である。教授職はリタイアしているので、非常勤の応援である。
授業は研究[広くはこちらの知的生活]と連動している。だから週に何回という授業は、ばたばたの生活サイクルをなお忙しくしているとも言えるが、おろそかには出来ない。研究やさらにはNPO活動の活力のもとになっているからである。
優秀な学生諸君は注意深くこちらの論点に耳を澄ませる。
授業は一方通行ではなく、学生諸君との対話を重視している。一方的なしゃべくりにしたくない。
また、素材には新聞記事を多用する。社会科学の勉強にどうしても新聞記事への見渡しが欠かせないからである。また、時流に逆らうようだが、携帯中心のスケール感のない《プティ情報化》へのレジスタンスを学生諸君にもおこなって欲しいと思う。紙媒体の新聞は衰退させてはならない。
大学ミュージアムやNPOのおかげで記者さん達と知り合える機会も増えてきた。
NPOとしては、一方的にマスメディアをこちらの広報機関と見るのは早とちりであり、結局は誤りだろう。もちろん、乏しい資源の中で、NPOががんばっている姿を広く人々に知らせておきたい。このブログを含めて我々の側の広報手段は、極めて限定的だ。だから、そうした意味では、新聞やTVなどに前向きに報道される機会が増えることは極めて大切だ。
しかし、そればかりではない。記者さん達との対話の中で我々は忙しい取材を通してどのような記事を作って行くのかがプロセスとしてよく分かるようになってきた。沢山の情報のなかから肝心要のことをつまみ出す技術は社会人基礎力の眼目でもあろう(究極の目標というべき、困難な課題のひとつと言うべきか。こっちもその一人かも知れぬが、社会人であっても何が言いたいのか分からない混乱した言語表現をする人が多いのだが…)。
更に、記者達はそれ自身として、社会情報論の化身である。彼らとの対話は、だから現状分析をおこない、学生教育に携わり、社会運動を展開しようとする側にとっても、極めて貴重な機会となる。
それから最後に、記者やディレクターという仕事をおこなっている方々のプレゼンスは、キャリア形成をされている先輩(メンター)として、若い世代、学生諸君には教育的な意味がとても大きい。
だから、メディアで働く人々と学生諸君の社会的接触面、インターフェイスを一層工夫し、改善することを、若年層の就業支援を唱えている側として考えたい。
また、プロのエバンジェリストともいうべき方々による新聞の読み方講座(日経新聞が熱心に展開している)なども、とても学生諸君からの反響が強い。放送媒体を含め、総じて今後ともマスメディアとのコラボは重視していかなければならない。NIE[新聞を用いた授業]の運動はたしか、小学生中心のものだったと思うが、いまや、大学でもこの運動は大いに改善しつつ展開されなければならない。
OECDによる15歳対象の学力調査、特にPISA型の読解力は依然としてフィンランドに水をあけられている。日本は、断じて中程度の位置取り、パフォーマンスに安易に満足すべきではない。

ここのところ、とにかく資料を読みかつキーボードを打ち続けたい。忙しさに紛れてやや専攻の勉強が出来ていない状態である。

新型のお弁当
教育学部受講生のみなさんと

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