2010年6月14日月曜日

ル・コルビュジェ展

咽の炎症でしばらく休養した。良く寝た。
日曜日にはようやく、愛媛県立美術館で催されているル・コルビュジェ展に行くことができた。コルビュジェはファン・デル・ローエやライトとならぶ現代建築の巨匠だ。
手稿が割と丁寧に保存されている。しかし、紙が酸化しているのだろうか、ひどく黄変し始めている。
それにしてもスケッチがうまい。さっと素描されたものが実にバランスがよい。また、抽象画もよくしたそうで、個性的な自分の世界を持っている。いくつかの作品も観賞できて良かった。
作品の中ではサヴォア邸やユニテ・ダビタシオン[直訳すれば居住ユニット]が好きなものだ。
前者は純粋に個人邸宅だが、室内と室外の仕切りがあるようでない。邸内も入ってゆくと順繰りに回遊出来る構造である。実際に訪れたことはないが興味が湧く。ユニテは、巨大な集合住宅で、各戸はいわゆるデュープレックスで一部吹き抜け、部屋の奥は二階という風だ。廊下も凝っていて、東西に抜けている。一方向のハト小屋ではない。
共に何よりも前庭からの立ち姿が抜群に美しい。その後のこの手の近代建築のあり方を決めてしまった。
構造物は地面に直接接することなく、樹木のようにがっしりとした列柱で支えられるか、あるいはサヴォア邸が成功例だが、無重力の世界でたてものが浮いているみたいな錯覚を覚える簡単なポールで支えられていることもある。
彼の建物は鉄、コンクリート、ガラスからなる一箇のオブジェである。室内のたたずまいも、なぜだろう、すっきりと面で区切られていて、その無機的な面がそれぞれ光の表情をたたえる。アクロバティックなことをしてみせる建築家の作品がもてはやされているようだが、彼の場合は抑制が効いている。坂倉準三はじめ日本人の優秀なお弟子達がコルビュジェを中心に活躍していて、その紹介も行き届いていた。下に掲げた展覧会の図録もコルビュジェの生涯を通じた活動を網羅していて参考になる。
比較的小ぶりの展覧会だが、満足度は高かった。
最後にコルビュジェ風のイスの座り心地を確かめ、ほっと息をついた。

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