翌日はグラバー邸を訪う。
周辺はいちだんと土産物屋が多くなり、街角が派手になったみたいだ。この前行ったのは何年前だったろう。
歩く舗道とかエスカレータとかとにかく坂道を苦労せずに上がれるようになっている。やや興ざめるが、高齢者が増えているのだから当然かも知れない。それにしても絶景はよいとしても、急峻な丘の斜面にグラバーは本拠を置いたものだ。
幕末、種々の「商談」がなされたのであろう。歴史を振返れば感慨を覚える。
それにしても、グラバー邸はドラマでの常連ではあるが、意外にも小さい。夫妻のそれぞれの部屋にしても簡素なものだ。一路、日本社会の「開放化」(イギリスの「自由貿易主義」の日本における実現)に向けてイギリス商人が突き進んだ。工作、脅し、密約、裏切り、濡れ手で粟の大商い、それらは一部は我々の目に歴史物語としてあきらかだが、大部分は深い霧の中だ。龍馬がどうしてあんなにも大活躍出来たのかも、説明がつきにくい部分がある。グラバーの活躍舞台はよりスケールの大きなものだったろう。
謎があるから歴史趣味が途絶えないのかもしれない。
炎熱の空の下に長崎の港が静かに青く空の色を映している。
万人のための平和と福祉の世界、白刃をくぐって成し遂げた先人の近代化への偉業とともに、貴重な人類の普遍的教訓を深く思わざるをえなかった。
現代と過去が斬り結ぶ貴重な空間をグラバー邸は提供している。晴れ晴れとした丘の上の洋館は我々の宝である。
久しぶりにコメントさせていただきます。
返信削除読ませていただいてはいたのですが、最近内容が難しくて…
勉強不足ですね(>_<)
グラバー邸、素敵ですよね!!
一度だけ行ったことがありますが、先生のように歴史に精通していれば、もっと楽しめたのだろうと思います。
最近、持っている知識の量で、物事の感じ方や考え方が変わってくるのだと思うようになりました。
量より質と言いたいところですが、それは膨大な量の知識から良質のものを選び出して初めて言えることですね。
日々勉強、日々精進です(^O^)/