2010年2月25日木曜日

神戸雑感4--JR四国etcの改善が必要です

 これはやや苦情に近い話だ。
まず、松山は『坊ちゃん』、道後温泉、その他いろいろあって知られているが、愛媛県=県都・松山市という組み合わせは、本土、とりわけ東京人のなかには分からないひとが多い。もちろん地理お宅は別だが、だいたいにおいて松山を香川県の県都だとこたえるかたが多いという困った状態なのだ。
小学生に聞いても、時計回りに香川、徳島、高知、愛媛県と並べられる子は意外に少ない。
東京圏や近畿圏へ仕事で出なければならない時に痛感する。航空機のひとり勝ちは駄目じゃないか。 
こっちは飛行機も好きな人種だが、それだけというのはなんとしても困る。競合路線がないために機を飛ばす側の都合で便数も価格も一方的に決められてしまう。東京への早朝便、東京からの最終便など、ほとんど満席である。それにもかかわらず運賃は高止まりしている。空港へのアクセスや搭乗待ち云々で貴重な時間が費やされる。言われているほど時間の節約にもならない。ただ、乗り物本体によってとられる時間差からか、疲れは違う。その問題だ。最近は関西に行くのまで機を利用することが増えている。
上京の際もかつてはなるべくJR四国(予讃線)、本四連絡線、岡山から新幹線というとてつもなく根気の要る路線を愛用していた。大きな利便性は、途中下車のメリットであった。それが最近はほとんど空の旅だ。それだけ日常の繁忙化が進んでいる。しかし、大阪にも京都にも静岡にも途中下車[下降?]なんてできない。1月や2月の荒天に羽田への着陸時に怖い思いをしたこともある。エネルギー効率はどうか、総じてちっとも良いことではない。
ぼやきは果てしなく続く。それじゃあ、何のためにこの稿をわざわざ起こしたのか。鉄道幹線の改善を四国全域で真剣に行って欲しいという悲鳴に似た願いの為である。これは政府の問題だろう。
*ディーゼル振り子特急の心臓部、見事な技術的成果ではある

とにかく時間がかかる。在来線が沿岸部をなめるように走っているため、線路の屈曲が激しい。カーブで減速しなくても良いように、そこは天才的なのだが、振り子電車に振り子型ディーゼル・カー(!)まで国鉄はがんばったわけである。技術陣のご努力は痛いほど分かる。しかし、狭い、揺れる、遅いという在来線の負の部分は覆い難い。狭軌では世界最速という電車型しおかぜにしても、がんがん飛ばせるわけではない。単線部分も断然多いからだ。内部改装が行われて居住性は飛躍したが、松山-岡山が大幅に時間短縮したわけではない。
それにディーゼルのイベント列車が感心しない。疲れているときにマンガ風の声でスピーカーからがなられては閉口する。見栄えも良くない。○○列車というのなら、さりげなくサインボードに正義の味方を書き込んだらどうだろう[原作者への敬意は強く持っている、誤解なきように]。
このディーゼル特急なるものだが。電車特急の「しおかぜ」に比して、改装がなされずに座席が妙にしんどい状態である。それにがんばるディーゼルの騒音に三時間ちかく耐えねばならない(電化は特急列車では岡山から松山までで、そこから先へは長距離列車はディーゼルとなる。松山-岡山間は、電車型とディーゼルタイプとの混在である)。
宇和島から本土への通しの特急という大義名分があるのだろうが、あの維新の功労者である宇和島の町を電化せずに孤立させるなど、もってのほかだ。土佐の高知が電化もされず孤立しているのも妙に気になる。声を大にして言いたくなる。観光気分で大型時代劇の舞台に適しているなどと、言って欲しくない。ディーゼル・エンジンは環境的にも負荷が大きいだろう。
四国が海山の幸を大切にして、四国山脈の威風を誇るのは良いことだ。大学の高い階の窓から眺める山々の威容にどれほどの感慨を覚えたことだろう。山の色は刻々変わり、ただの一度も類型的な印象を受けない。偉大なものだ。極寒の季節には流石に白いものをいただく。三坂峠あたりを中心に文字通り飽かず観賞する。山の背を超えれば仁淀川ぞいにくだる道に達し、土佐の国である…。
感傷にふけっている時間はない。
つまり、複線電化でも良い、軽量新幹線でも良い、とにかく路盤を改善し、直線距離を伸ばし、カーブを緩和し、松山ないし宇和島から岡山へと大幅な時間の短縮をして欲しい。その他、四国の立派な県都のInterCity[欧州型の都市間特急システム]による交通関係の改善は言うも更なりだ。高速道路の一辺倒も論外だ。鉄道を手入れしてはじめて、空と鉄道と道の健全な競合と協調の関係が作られるのではないか。今回の出張でつくづく確認した。四国を孤立させることなかれ。これは政治の問題だ。

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