2011年10月13日木曜日

就活を支援する(1)

やや自然発生的だったが、在学生の就活を支援することが自分たちのNPOの重要な使命のひとつとなっている。直接日常的なカウンセリングは私が行うが、随時、学内外の方々に講師になっていただき、社会人基礎力講座としてお話をお願いすることもあった。
4回生の方々や大学院の方々は、全員第一志望に近い形で内定をかちとった。それに、院の一年生が教員採用に早くも合格するという朗報も加わった(彼の場合はほとんど自力の勝利だったが)。
すべて学生事務局をになったり、労をいとわず手伝いに動いてくれた学生・院生の方々である。努力の甲斐があったし、私たちも支援をして良かったと思う。就職難のこの時代にこのパーフェクトな学生諸君[こまかくは学生/院生だが、以下、すべて学生諸君、女子学生などと記述する]の成果は褒められてよいことかもしれない。

3回生について言えば、震災の影響で就活の一斉開始が従来の10月から12月にずれ込んだ。
早期の就活希望者の内定とりこみが大学教育へブレーキをかけてしまい、また、あわてて内定をとるために生煮えの人材を企業が抱え込み、早期離職の原因にもなっていると一般に批判されているところである。
しかし、就職活動、求職活動を学生達の完全な自己責任だと放置することはあまり感心しない。現在のシステムでは、ほとんどの就活生が授業やセミナーを頻繁に欠席し、数十社をうけて、そのうえ内定の手がかりさえ得られなかったということになりかねない。12月だとしても、かつての最終学年に入ってからの就職活動と比べてまたまた多くの問題を引き起こすことであろう。
特に、就活情報系企業の情報統制や操作の対象に無防備に彼らをさらすことにもう少し注意を払うべきだろう。大学人やあるいは大学周辺に居て状況をある程度理解しているわれわれが助言/直言すべき場面である。もちろん就活支援分野は、重要なソーシャルビジネスの対象領域でもある。要するに、むき出しの営利活動の対象として就活の流れを捉えることには異論がある。就活に利便性を与える目的の企業営利活動[リクルート系企業と言う場合もある]は全否定するわけには行かないが、こうした企業群の草刈り場に大学が無防備に「身を落とす」ことはあまり感心しない。大学の品格にも関わる問題である。
就業と高等教育機関の関わりは別個に詳しく論じるべき領域であろう。

ここでは在学生の就業活動を支援してきた教訓を少しずつ述べておこう。
学生諸君は友人からの口コミによるのだろうか、私のところに就活の相談に来る。
もちろん、NPO学生事務局のすそ野を拡げたいから歓迎である。
第一に、そもそもなぜ就職したいのかを相談者とじっくり話をする。費用などはとらない。カウンセリングの形をとった支援は私たちのボランティアである。
NPO活動での「インターンシップ」(はっきりそう意識しているか否かはべつとして)は就活に有効である。これは経験則だが、非営利活動法人に学生会員として参加することは就活態勢を築く上でも大切である。なぜならNPO活動は営業もおこなうし、社会的なはたらきかけも必要であるし、催しなどの手順・段取りを理解するうえなどで格好の舞台、OJT[On-the-Job-Trainning現場実習]の機会提供を行いうる場であるからだ。また、学生事務局での勉強会[新聞・雑誌の記事を素材に自由討論]も蓄積効果をもっている。何ヶ月単位で続ければ、侮りがたい力になる。もちろん「自主的に」という範囲である。

いずれにせよ、就活の手順を就活生は客観的に理解しておく必要がある。
自己分析=長所・短所の把握と希望分野、地元か大都市圏かなど、また企業の状況を素早く理解する、すなわち何をする会社・組織なのかをいちはやく調べ理解する必要がある。
大学の就職支援課へは、自分のニーズをしっかりしぼって相談しておくことが必要である。貴重なデータが蓄積されてはいるし、支援課が催す講座などにもしっかり目配りしておきたい。

さて、ここからが難物。エントリーシートでなにを書くべきか、これは結構いままでの経験者も苦労している。自分で自在に組み合わせ書けるようにする。日本語になっていない場合は容赦なく訂正。相手は忙しい。簡潔で訴求力ある内容と構成が求められる。

面接への対策は意外に見落とされている。それに前提として、当然ながら、服装・礼儀・健康管理などなどが伴う。
やがて若者たちは、教育課程での学習や研究とはちがって、自分の働きで賃金を得て生活をすることになる。就職はだから人生のもっとも重要な飛躍が求められる重大な難関である。ある意味では受験より困難かもしれない。
相手は企業や特定の組織で生き抜いてきた社員や職員や役員さんたちである。不満なら、なにも無理してあなた方を雇う必要などはない。皆さんに向けて、相当きつい質問が飛んでくることも予想される。過剰に萎縮してしまう必要はないが、プロテクトしておくこと、求職者としての自らの価値を弁証する用意が要るのだ。分かっている質問ならなんとかなる。分からない質問が来た時どうする。
明るくユーモラスに押し返せたらいうことはない。でも本当に詰まってしまったらどうする?
それぞれに対策がないわけではない。
要するに人間的な力量、コミュニケーション力がまったなしで相手の評価にさらされるのである。この人間的な力量は一朝一夕に身に付くものではない。しかし、努力し、工夫して築き上げ、自らを磨く毎日を過ごしているひとは、おのずと相手にその「気配」は伝わるものだ。採用企業があなた方にほれ込むようにしなけりゃ駄目。

最終段階の役員面接まで漕ぎ着けていたのに残念! うまくいかない場合もある。
落ちたらどうしようとがたがたになってしまい、青ざめ、硬直した無愛想な返事しか出来なかったという苦い実例である。もちろん、ほとんどの職場が集団的な協業[チームでの業務]を前提にしているのだからこれではプラス点はとれない。
媚を売る必要はさらさらないが、人間的にチャーミングでなければ相手はなっとくすまい。

ま、それやこれやで就活の悲喜劇を乗り越えて向こう岸に着かなければならないのである。
就職支援課長さんと短時間だがお話する機会が増えている。最後までねばって良い結果を得たことをご報告した。「結局は安易にあきらめないことですね」と、おっしゃっていた。同感だ。
粘りと的を絞った合理的な攻めがあれば、絶対に大丈夫とは言いきれぬが、最後の最後は何とかなるのではないか。そんな印象である。
短文をと思ったら、ずるずると長いイントロになった。随時各論を展開する。

がんばれ就活生諸君!

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