本日の講義の参考文献は、『ソーシャルビジネス研究会報告書(平成20年4月)およびソーシャルビジネス推進研究会報告書:平成22年度』 『地域新成長産業創出促進事業(ソーシャルビジネス/コミュニティビジネス連携強化事業)[平成23年3月]』などである。
池上さんではないが、現代史の流れの大きな構図を描いておいて、その中に社会的事業分野が特別に重視されるに至った経緯を十分な時間をとって講述するようにつとめた。
冷戦下の西側世界、イギリスなどでの福祉社会建設の先行例、大きな政府の出現、イギリス病と呼ばれる現象、サッチャーリズムの展開(レーガン政権の追随)、小さな政府=福祉民営化への流れ、新自由主義の制覇、規制緩和の大波、小泉政権、少子高齢化、格差問題などなど、順を追って論理的に整理できる様に述べてみた。かくて、上記の二番目の報告書がいう社会的事業への注目が始まったのである。
報告書はまとめて次のように述べる。
ソーシャルビジネスとは、「様々な社会的課題(高齢化問題、環境問題、子育て・教育問題など)を市場として捉え、その解決を目的とする事業」であるとし、「社会性」「事業性」「革新性」の特徴を備えていなければならない、と。
こうした新しい枠組みの取組は、イギリスや北欧諸国を中心に、制度疲労に悩みかつほころびを見せた福祉社会の修復を行い、現代生活の諸問題に果敢に挑む事業を産んでいった。若者は再びこのフロンティアへのあこがれと挑戦を行いつつあり、私たちリタイアした人間にも、社会経験を活かした再挑戦の貴重な領域が開けてきているのである。
幸い、授業では現代史の流れとともにソーシャルビジネスの時代の到来が理解できたという感想をうけ、ホッとした次第である。
昼は、定例の学生事務局会議と研究会を開催した。場所は、地域創成研究センターのセミナールームである。
こうした催しは、新3回生が主力になりつつある。記事は、「新型iPhone、小幅なデザイン変更か---販売は絶好調維持へ」(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版、2011/10/03)、「仏アレバの新CEO、繊細な舵取り求められる---福島原発事故で業界に逆風(同じく)」、「ギリシャ、12年までの財政赤字目標は未達の見通し」(ロイター日本語版、同日付け)、「今年の財政赤字、目標を大幅超過---ギリシャが追加歳出削減へ」(同じく)などを素材に自由な討論をおこなう。特にギリシャはまことに興味深い国際政治的な位置づけが出来る。なぜこのような深刻な事態になったのかを考えた。
結局われわれは、冷戦のツケをいま頃になって払わさせられているのかもしれない。
学生諸君が次々に四国地区のインターンシップにも参加しつつある。
夢を現実のものにする実務能力と自由な構想力を養って欲しい。積極的なことはなににつけ良いことだ。
あたらしい事務局の皆さんと(全員写真ではありませんが) |
久しぶりの事務局会議はやはり充実していて、楽しかったです。
返信削除就職活動中、岡村先生のお話にどれだけ助けていただいたか、思い出していました。
後輩の事務局メンバーにも、多くの事を吸収して、就職活動に役立てて欲しいと思います。
ただ、就職はただのスタートに過ぎないと、最近実感しているので、私もまだまだアカデメイアで頑張りたいと思います。