映像記録を十分にとるために二階のバルコニーで理学部学生のY さんとそれぞれカメラを構えた。
巨大な紙が用意され、本体とその先の緋色の巨大色紙に、これまた巨大な筆でもって端正な行書体が書き込まれていった。ほとんど全体で5分も超えないほどの痛快な早さだった。
黒い袴と白い着物、背には扇を金色の水引で留めている。髪が長い女子生徒はおなじく金糸で束ねていて、それがチョウチョの様な形状になっている。
地味な書と簡素ななかにピンポイントの華やぎをもたせた衣装デザインが新鮮だった。
また、筆勢も終始まどいのないものであって、不断の修練がしのばれた。留めはねは、筆の大きさに負けないようにとのことだろう、スポーツ選手のように、しっかりとリズムがとられていた。
そのためでき上がった線にも躍動感があり、書としても立派なものであった。
人間なにごとにつけ「いさぎよさ」と「いきおい」が必要だ。東洋芸術は風格を重んじる。その神髄は、表象されたものの彼方に、結局のところ人の生き方そのものを見ているのだろう。そんな感じがした。
たすき掛けをしたそのうえに金の扇がのっている。 |
皆で一挙に書き上げる |
書き上がってほっとする書道部員の皆さん |
作品はミュージャム中庭に掲げられ、ライトアップされた。 |
躍動的な「媛」の造形 |
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